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スマートの車種一覧(現行車種・過去車種)

スマートの現行車種一覧

フォーツー/カブリオ/フォーフォー

スマートの過去販売車種

フォーツー

 

スマートの概要

スマート・オートモビルはマイクロカーを専門とするドイツの自動車メーカーで、当初ダイムラー・ベンツ社(当時)とスウォッチ・ブランドの時計で知られるSMH社(当時)との共同で設立されたものの、現在はダイムラーAG100%出資の子会社となっています。ブランドマークはsmartで、ブランド名の由来はSwatch(スウォッチ)の頭文字sとMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)の頭文字mに、「芸術」を意味するartを組み合わせたものとなっています。

また、ブランドシンボルはタイヤとステアリングホイールを表すサークルと、これからの方向性を示す矢印を組み合わせたものが採用されています。

スマートの概要(2016年度)

  • 本部所在地:ドイツ連邦共和国バーデン=ヴュルテンベルグ州ベーブリンゲン
  • 設立:1994年
  • 設立時の名称:MCC AG
  • 代表者:アネット・ウィンクラー(CEO)
  • 販売台数:14万4,479台(内、日本4,508台)

事業内容はマイクロカーの製造・販売で、生産拠点はスロベニアとフランスに置かれています。販売は世界46か国で行われ、主要なマーケットはドイツ国内とイタリア、および中国となっています。日本における輸入販売は、ダイムラーAG100%出資子会社のメルセデス・ベンツ日本により行われています。

スマートの沿革

1990年代:第一弾モデルのスマートシティクーペがデビュー

2人乗りマイクロカーの製造・販売を企画したSMH社が、ラインナップにコンパクトカーを加えたい意図のあったダイムラー・ベンツ社と提携、1994年にダイムラー・ベンツが51%、SMHが49%の出資比率でMCC AG(マイクロ・コンパクト・カー社)が設立されました。そして翌1995年に、ワンモーションフォルムを持つ2人乗りのコンセプトモデル「スウォッチカー」が発表されました。

そして、ダイムラー・ベンツがクライスラーとの合併によりダイムラー・クライスラーとなった1998年、ヨーロッパでスウォッチカーをベースとした市販モデル「スマートシティクーペ」が発売されました。発売時期に関しては、プロトタイプをスウェーデンに持ち込んで行われたエルクテストの際に転倒するアクシデントが生じたため、改修に追われ遅れが生じました。

エクステリア・デザインは、概ねスウォッチカーのイメージが踏襲されたほか、コンパクトなサイズと衝突安全性を両立させるため「トリディオンセーフティセル」と呼ばれる独特な構造が採用されました。ボディ・ディメンションは全長2,500mm×全幅1,515mm×全高1,549mm、ホイールベース1,812mmと極めてコンパクトながら、2人の乗員のための十分なスペースが備わっていました。

駆動方式は、スペース効率の追求と衝突時の乗員の安全性確保のためRRが採用されました。エンジンは、ダイムラー・ベンツ製の0.6L直3SOHCガソリンターボ(最高出力45/55ps)が搭載されました。組み合わせられるトランスミッションには、「ソフタッチ」と呼ばれるシングルクラッチ式の6速AMTが採用されました。

また、サスペンション形式はフロントにダンパーストラット式と呼ばれるリーフ式、リアにド・ディオン式が採用されました。そして翌1999年、0.8L直3SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力41ps)搭載車が追加されたほか、電動開閉式のソフトトップが備わる「スマートカブリオ」がラインナップに加えられました。

2000年代:スマートロードスターとスマートフォーフォーを追加、スマートフォーツーは2代目に

しかし販売面では振るわず、赤字経営となったことから2000年にSMHが撤退、MCCはダイムラー・クライスラー100%出資子会社となりました。そしてこの年の12月、ダイムラー・クライスラー日本による日本への正規輸入が開始されました。次いで2001年のマイナーチェンジでフロントサスペンションがマクファーソンストラット式に変更され、操縦の安定性の向上が実現ました。

さらに同年、スマートカブリオをベースにフロントウィンドウ、ドア、ルーフを撤去した限定モデル「スマートクロスブレード」がリリースされました。一方日本向けモデルの展開は、同年10月にリアまわりのモディファイにより全幅を1,470mmに縮小、軽自動車規格に適合させた日本専用モデル「スマートK」がリリースされました。

続いて2002年、2シーター・スポーツカー「スマートロードスター」(クーペ/カブリオ)がラインナップに加えられました。ボディ・ディメンションは全長3,427mm×全幅1,615mm×全高1,207mm、ホイールベース2,360mmと、スマートクーペ/カブリオよりもはるかに長く広く、そして低くされました。一方で、トリディオンセーフティセルと樹脂製ボディパネルを組み合わせた基本構造は踏襲されました。

駆動方式はRRが踏襲され、パワートレインは0.7Lに拡大された直3ガソリンターボエンジン(最高出力82ps)とソフタッチの組み合わせが搭載されました。そしてこの年の9月、社名が現在のsmartに改称されました。次いで2003年にスマートクーペ/カブリオに2度目のマイナーチェンジが実施され、横滑り防止装置やブレーキアシスト、ヒルスタートアシストが標準化されるとともに、エンジンの排気量が0.7Lに拡大されました。

同時に、smart社とBRABUS社による合弁企業スマートBRABUS社より、高性能版の「スマートクーペBRABUS」「スマートカブリオBRABUS」が発売されました。次いで2004年には、5人乗りの5ドアハッチバック車「スマートフォーフォー」が発売されました。当時ダイムラー・クライスラー傘下にあった三菱自動車と共同開発したモデルで、プラットフォームを「三菱・コルト」と共有していました。

トリディオンセーフティセル+樹脂ボディパネルの基本構造を踏襲するボディは、全長3,752mm×全幅1,684mm×全高1,450mm、ホイールベース2,500mmのBセグメントサイズでした。駆動方式は従来のモデルから一転、FFが採用され、エンジンはダイムラー・クライスラーの子会社であるMDCパワー社製の1.1L直3と1.3L/1.5L直4のガソリン、および1.5L直4ディーゼルターボが用意されました。

サスペンション形式はフロントにマクファーソンストラット式、リアにトーションビーム式が採用されました。そしてスマートフォーフォーの誕生にともない、従来のスマートクーペ/カブリオは「スマートフォーツークーペ/カブリオ」に改称されました。その後、スマートロードスターとスマートフォーフォーは、販売不振のため2006年に生産終了となりました。

次いで2007年、スマートフォーツークーペ/カブリオに初のフルモデルチェンジが実施されました。ワンモーションフォルムやトリディオンセーフティセル構造などが踏襲された一方で、対米輸出にも配慮したため、現地の安全基準に対応すべく全長・全幅が拡大されました。そのディメンションは、全長2,695mm×全幅1,559mm×全高1,542mm、ホイールベース1,867mmというものでした。

駆動方式はRRを踏襲し、エンジンはガソリンは三菱自動車製の1L直3SOHC NA(最高出力61/71ps)および同ターボ(最高出力84ps)に置換されました。トランスミッションはシングルクラッチ式AMTを踏襲しつつ、排気量拡大に伴うパワーバンド拡大により、ギア数が5速に変更されました。サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:ド・ディオン式が踏襲されました。

追って同年に開催されたフランクフルト・モーターショーにおいて、「mhd(マイクロ・ハイブリッド・ドライブ)」と呼ばれるアイドリングストップ機構付きモデルが追加されました。また、この年にダイムラーとクライスラーの合併が解消され、親会社がダイムラーAGとなったことにともない、日本における販売元もメルセデス・ベンツ日本に変更されました。

次いで翌2008年、専用の内外装が備わるボディに、ターボチャージャー付1L直3エンジン(最高出力98ps)と変速スピードを向上させた5速AMTを搭載する「スマートフォーツーBRABUS」が追加されました。続いて2009年12月、開発が進められていたスマートフォーツーのEV版「スマートED(エレクトリック・ドライブ)」のドイツにおける実証実験が開始されました。

スマートEDはザイテック社製の電気モーター(最高出力41ps)とテスラ製のリチウムイオンバッテリーを搭載するモデルで、100km/hの最高速度と140kmの航続距離を備えていました。

2010年代:スマートフォーツー/フォーフォーをフルモデルチェンジ

そして翌2010年、スマートEDの実証実験を行う地域がヨーロッパ各国やアメリカ、日本にも拡大されました。一方ガソリンモデルは、同年にマイナーチェンジが実施され、内外装デザインが一部変更されるとともに燃費向上が図られました。次いで2012年、世界30以上の国でスマートEDのリース販売が開始されました。

モーターの最高出力がプロトタイプから大幅に向上した75psとなり、最高速度が120km/hにアップ、さらに急速充電に対応したことも改良点のひとつでした。同時に、LEDデイタイムドライビングランプの採用など、エクステリア面にも変更が施されました。追って2013年には、モーターの性能をさらに高めた高性能版「スマートフォーツーBRABUSエレクトリックドライブ」がリリースされました。

次いで2014年10月、スマートフォーツークーペに2度目のフルモデルチェンジが実施されるとともに、スマートフォーフォーが8年ぶりに復活しました。ともにフランスのルノー社と共同で開発され、4人乗り5ドアハッチバック仕様のスマートフォーフォーはプラットフォームを「ルノー・トゥインゴ」と共有する姉妹車種となりました。

エクステリア面では、スマートフォーツーはトリディオンセーフティセルを踏襲するなど先代のイメージを受け継ぎながらも、ワンモーションフォルムから短いボンネットフードを持つ2ボックススタイルに変貌しました。一方、スマートフォーフォーはスマートフォーツーをストレッチしたようなフォルムが備わり、先代は勿論のこと、ルノー・トゥインゴともイメージが大きく異なるものでした。

メカニズム面では、駆動方式はスマートフォーツー/フォーフォーともにRRを採用、後者は先代のFFから正反対のレイアウトとなりました。ボディ・ディメンションは、スマートフォーツーは全長2,695mm×全幅1,663mm×全高1,555mm、ホイールベース1,873mmで、全幅が約100mm拡大されたことで横方向の居住性が改善されました。

また、トレッドの拡大と同時にステアリングの切れ角が拡大され、最小回転半径は先代の4.2mから3.3mへと大幅に縮小されました。一方、スマートフォーフォーは全長3,495mm×全幅1,665mm×全高1,554mm、ホイールベース2,494mmというディメンションで、先代との比較では100mmほど高められた全高をのぞき若干縮小されました。

また、最小回転半径は先代スマートフォーツー並みの4.3mを実現していました。サスペンション形式は、スマートフォーツー/フォーフォーともに先代スマートフォーツーと同じフロント:マクファーソンストラット/リア:ド・ディオン式が採用されました。一方、エンジンは先代から一新され、スマートフォーツー/フォーフォーともにルノーが新開発した1L直3DOHC NA(最高出力71ps)と0.9L直3DOHCターボ(最高出力90ps)のラインナップとなりました。

また、先代ではNA車のみに装備されたアイドリングストップ機構が、全車に標準化されました。組み合わせられるトランスミッシンは、歴代スマートモデル初の5速MTが標準となったほか、オプションでこれもスマート初の6速デュアルクラッチ式AT「ツイナミック」が用意されました。装備面では、予防安全システムとしてレーダーセンサーによる「衝突警告音機能」が初採用されました。

また、80km/h以上で走行中に横からの突風に煽られた際に車両を安定させる「クロスウインドアシスト」を装備、RR車特有のスタビリティ面での欠点が軽減されたことも特徴でした。次いで2016年、カタログ落ちしていたスマートフォーツーカブリオが3代目にモデルチェンジされ、ラインナップに復活しました。

さらに同年、スマートフォーツークーペ/カブリオ/フォーフォー各モデルに、専用の内外装パーツを装着するとともに、0.9Lターボエンジンを最高出力109psまでチューンナップして搭載するハイパフォーマンス版「BRABUS」が設定されました。組み合わせられるトランスミッションはツイナミックで、標準モデルからギアレシオが変更されるとともに変速スピードの向上が図られました。

また、サスペンションの強化やフロント・アンチロールバーの装備、車速感応型可変式ステアリングの採用など、さまざまな面でアップデートが図られました。一方、日本市場においては、同年4月から新型スマートシリーズの導入が開始されました。まずスマートフォーツーが限定モデルとして上陸し、追って10月にスマートフォーフォーがカタログモデルとして追加されました。