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ポルシェ 911 (2代目 930 1974-1989):ターボモデルを追加し全幅とトレッドを拡大

ポルシェ 911 ターボ 3.3 1978

ポルシェは、1964年に「356」に代わる新型スポーツカーとして「911」を発売、「901型」と呼ばれる初期型は基本設計に大きな変更がないまま1977年まで生産が継続されました。しかし、1974年に911初となるターボエンジン搭載モデルがリニューアルされた「930型」としてデビューし、1978年にはNAエンジン搭載モデルも930型に切り替えられました。930型は、901型より全幅とトレッドが拡大された事が最大の相違点でした。

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ターボの威力で高性能を発揮

ボディサイズは全長4,290mm×全幅1,775mm×全高1,320mmで、901型よりも全幅が165mm拡大され、トレッドも901型「911カレラ」との比較において前が+63mmの1,432mm、後が+131mmの1,511mmにワイド化されました。ホイールベースは901型とほぼ同一の2,268mmで、車両重量は120kg増加し1,195kgとなりました。スタイリングは、大きく張り出した前後のフェンダーフレアにより迫力溢れるものとなりました。

ポルシェ 911 ターボ 3.3 1978

従来通りリアに搭載される空冷SOHCフラット6は、排気量がそれまでの2.7Lから3Lまで拡大されると共にKKK製ターボチャージャーとボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射装置を備え、最高出力264ps/5,500rpm(※日本仕様は245ps)・最大トルク35kgm/4,000rpmのアウトプットを発生しました。このスペックは、911カレラよりも54ps/9kgm勝るものでした。

ポルシェ 911 カレラ3.2 1984

トランスミッションは、従来の5速MT又は4速スポルトマチックに替え4速MTが組み合わせられました。パフォーマンスは、最高速度が911カレラよりも6km/h速い246km/hに向上しました。足回りに大きな変更はなく、サスペンション形式は901型同様のフロント:マクファーソンストラット/トーションバー式・リア:トレーリングアーム/トーションバー式が踏襲されました。グレード名は「911ターボ」と命名されました。

ポルシェ 911 カレラ3.2 1984

そして1977年8月に、911ターボの排気量が3.3Lまで拡大されると共にインタークーラーが装備され、スペックが最高出力300ps/5,500rpm(日本/北米仕様は265ps)・最大トルク42kgm/4,000rpmまで向上しました。車両重量は1,300kgまで増加したものの、パフォーマンスは大幅にアップし最高速度が260km/hとなった他、0-100km/h加速5.4sの加速性能を実現しました。

NAモデルが遅れてモデルチェンジ

次いで翌1978年に、901型のまま販売が継続されていたNAモデルが930型にモデルチェンジし、グレード名が「911SC」及び「911SCS」となりました。共に排気量が3Lに拡大された他全幅が1,651mmにワイド化され、車両重量は1,120kgになりました。911SCのエンジンのスペックは最高出力188ps/5,500rpm・最大トルク27kgm/4,100rpmで、5速MTとの組み合わせにより最高速度225km/h、0-100km加速7sの性能を発揮しました。

ポルシェ 911 カレラ3.2 1984

そして1983年に、356以来となるカブリオレが追加されました。更に翌1984年には、930型になってから途絶えていた「911カレラ」が復活しました。エンジンは排気量3.2LのNAボッシュLジェトロニック燃料噴射仕様で、最高出力231ps/5,900rpm・最大トルク29kgm/4,800rpmのスペックを持ち、車両重量1,280kgのボディを最高速度246km/hまで到達させる性能を備えていました。

ポルシェ 911 カレラ3.2 1984

次いで1986年に、ターボの高性能版として「911ターボSE」が追加されました。排気量は3.3Lで同一ながら、最高出力330ps/5,750rpm・最大トルク47.6kgm/4,500rpmまでアウトプットが高められ、5速化されたMTとの組み合わせにより最高速度275km/h、0-100km/h加速5.2sの動力性能を発揮しました。そして1989年、930型は大幅に内容を刷新した「964型」にバトンタッチされました。

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