トヨタ プリウス (4代目 ZVW ’15-):更なる燃費向上と快適性を追求

トヨタ プリウス 2015

トヨタ プリウス 2015

初代モデルが1997年にデビューしたトヨタのハイブリッド車「プリウス」は、2015年12月9日に6年半ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し4代目モデルとなりました。定評ある燃費性能が先代から更に向上し40km/Lを超えるグレードが設定されると共に、従来のプリウスでは重要視されなかった、スタイリングの恰好良さや走行性能の高さにも注力された点が特徴となっています。

アグレッシブなスタリングに変貌

ボディタイプは先代同様の5ドアハッチバックながら、スタイリングは「低重心スタイル」をテーマにキーンルックのフロントマスクやサイドからリアエンドに続くキャラクターラインが採用されるなど、燃料電池車「MIRAI」を彷彿とさせるアグレッシブなルックスに変貌しました。又、空力特性の改善にも配慮され、Cd値は先代の0.25から0.24に向上しました。

トヨタ プリウス 2015

トヨタ プリウス 2015

ボディサイズは全長4,540mm×全幅1,760mm×全高1,470~1,475mmで、先代から全長が60mm、全幅が15mm拡大され、全高は15~20mm低くなりました。ホイールベースは同一の2,700mmで、車両重量は軽量化設計により同等以下の1,310~1,460kgとなりました。サスペンション形式はフロントはストラット式を踏襲する一方、リアは伝統のトーションビーム式からダブルウィッシュボーン式に変更されました。

歴代初の4WD車を設定

駆動方式は従来通りのFFの他に、プリウス史上初の電気式4WD「E-Four」が設定されました。パワートレインはスプリット式の「THS-Ⅱ」を踏襲するものの、構造の変更やコンパクト化、高効率化が図られるなど大幅なリファインが施されました。基本的な構成は先代同様、1.8L直4アトキンソンサイクルの2ZR-FXE型エンジンと同期型モーター、そして電気式無段変速機の組み合わせとなっています。

トヨタ プリウス 2015

トヨタ プリウス 2015

スペック面では、エンジンは先代とほぼ同等の最高出力98ps/最大トルク14.5kgmで、モーターは若干低下し最高出力72ps/最大トルク16.6kgmとなりました。又、4WD車には、後輪駆動用に最高出力7.2ps/最大トルク5.6kgmを発生する誘導型モーターが装備されます。JC08モード燃費は34~40.8km/Lで、先代の30.4~32.6km/Lから大幅な向上を果たし量販車トップレベルとなりました。

トヨタ プリウス 2015

トヨタ プリウス 2015

上級グレードは安全装備が充実

グレード体系は、下から「E」「S」「Sツーリングセレクション」「A」「Aツーリングセレクション」「Aプレミアム」「Aプレミアムツーリングセレクション」の全7タイプがラインナップされ、「A」以上のグレードには、衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティシステム」+レーンデパーチャーアラート+レーダークルーズコントロール+オートマチックハイビームから成る「Toyota Safety Sense P」が標準装備されました。

トヨタ プリウス 2015

トヨタ プリウス 2015

その他、ITS専用周波数による運転支援システム「ITS Cnnect」の設定や、温度上昇を抑えるボディカラーの採用といった新機軸が取り入れられました。

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トヨタ プリウスの歴史

トヨタ プリウス 初代-3代目

トヨタ プリウス 初代-3代目 (出典:favcars.com)

トヨタ「プリウス」は、1997年12月、世界で初めての量販ハイブリッド車として発売されました。車名のプリウスは、ラテン語の「~に先立って」の意味で、トヨタの期待と意気込みが込められたものでした。当時、超低公害車としては、トヨタも含め各社からEVが販売されていましたが、航続距離や充電インフラの問題があり、価格も高価であった為、本格的な普及には程遠い状況でした。

又、次世代超低公害車の本命と見做され、開発が進められていた燃料電池車も、市販化は遥か先という状況でした。そのような状況下で、トヨタはガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド方式という、現実的かつ実用性の高い方式を選択しました。ハイブリッド方式は、局所的に排気ガスゼロとはならないものの、通常のガソリンエンジンよりもCO2排出量や燃費の面で有利でした。

そして、EVと異なり航続距離やインフラ面の制約がなく、通常のエンジン車と同様に使用出来る点は大きなメリットでした。又、EVのような大容量の走行用バッテリーが不要である為製造コストを抑える事が可能で、市場競争力のある車両価格を実現し、早期の普及が見込めるメリットもありました。唯一、複雑になりがちなシステムを如何に巧みに制御するかが課題でしたが、トヨタはそれを克服しました。

スプリット式ハイブリッドシステムを搭載

トヨタがプリウスに搭載したハイブリッドシステムは、スプリット型と呼ばれる高度な制御を必要とする方式でした。これは、遊星ギアを備える動力分割機構により、エンジンの動力を発電機と車軸駆動に振り分けたり、モーターの動力と合成して車軸を駆動する事が可能な方式です。これに電子式無段変速機を組み合わせ、「THS」(トヨタ・ハイブリッド・システム)と名付けられました。

実際の走行においては、負荷が軽くバッテリー残量に余裕がある時はモーターのみで、それ以外のシチュエーションではエンジンとモーターの協調により走行し、殊更ハイブリッド方式である事を意識させないスムーズなドライバビリティーを実現していました。バッテリーの充電はエンジンにより行い、更に減速時にはエネルギー回生機構によりバッテリーが充電されました。

モデルチェンジでボディとエンジンの排気量が拡大

ボディやプラットフォームはプリウス専用に開発された物で、空力特性の優れたボディは低燃費に貢献しました。ボディのサイズと形状は、初代は5ナンバーサイズの4ドアセダンでしたが、2代目以降は北米市場を意識して3ナンバーサイズに拡大されると共に、後部にハッチゲートが設けられワンモーションフォルムの5ドアとなりました。

THSに搭載されるエンジンは、初代と2代目はアトキンソンサイクルを採用した1.5L直4で、3代目では排気量が拡大され1.8L直4となっています。モーターは交流同期型で、出力が段階的に強化されています。バッテリーは、一貫してニッケル水素型を採用しています。又、3代目モデルには、家庭用電源でバッテリーを充電し、短距離のEV走行を可能としたプラグインハイブリッドモデルが追加されています。

2代目以降は日本とアメリカで大ヒット

プリウスの販売実績は、初代モデルは新しい物好きのユーザーの心は捉えたものの、一般層にはまだ異端の存在であり、ヒットには程遠いものでした。しかし、2003年にフルモデルチェンジされ2代目になると、ハイブリッドシステムの完成度が高まった事やユーティリティーが向上した事などにより人気が一気に高まり、ベストセラーカーとなりました。

2009年に現行モデルへとフルモデルチェンジされてからも、人気は留まる事を知らず、販売ランキング上位の常連になっています。又、アメリカでの人気も高く、日本と同様にベストセラーカーとなっています。そして、評論家筋からも高い評価を得ており、初代モデルが1997年日本カーオブザイヤーと1998年RCJカーオブザイヤーを、3代目モデルが2009年日本カーオブザイヤーを受賞しています。

トヨタ プリウス歴代モデル解説

初代 NHW10/11 (’97-’03):カーオブザイヤーに輝いた世界初のハイブリッド車

トヨタ プリウス '97

トヨタ プリウス ’97 (出典:favcars.com)

トヨタ「プリウス」は、世界で初めてのハイブリッド量販車として、1997年12月に発売されました。ハイブリッドシステムのみならず、ボディやプラットフォームはプリウス専用に新設計されたものでした。

ボディは4ドアセダンのみが用意され、スタイリングは空気抵抗軽減を配慮した流麗なボディラインが特徴でした。

初代プリウスの詳細へ

2代目 NHW20 (’03-’11):燃費・動力性能・機能性が向上しベストセラーに

トヨタ プリウス '03

トヨタ プリウス ’03 (出典:favcars.com)

1997年に世界初の量販ハイブリッド車としてデビューした「プリウス」は、2003年9月にフルモデルチェンジを受け、2代目となりました。

ボディは、先代の4ドアセダンから5ドアハッチバックに変わると同時に、サイズを拡大して居住性や積載性が向上しました。又、パワートレインもリニューアルされ、動力性能・燃費共に向上するなど、全般的に大幅なリファインが施されました。

2代目プリウスの詳細へ

3代目 ZVW30 (’09-’15):完成度を高め、不動のベストセラーに

トヨタ プリウス '09

トヨタ プリウス ’09 (出典:favcars.com)

2009年5月に二度目となるフルモデルチェンジが実施されて3代目となりました。キープコンセプトのモデルチェンジで、ワンモーションフォルムの5ドアハッチバックボディが踏襲されています。

ボディサイズは、全高を除き先代から更に拡大され、全長4,460mm×全幅1,745mm×全高1,490mmとなっています。

3代目プリウスの詳細へ

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