BMW車をベースとしたチューンドカーの生産で知られるドイツのアルピナ社は、1999年に同社のエントリーモデル「B3」シリーズのベースモデルである「BMW・3シリーズ」が4代目E46型にフルモデルチェンジされると、すかさずそれをベースとした新型B3シリーズをリリースしました。先代からボディが拡大されるとともに、性能も一段と向上していました。
まずはセダンとクーペから
ボディタイプは、当初は4ドアセダン「3.3リムジン」と2ドアクーペ「3.3クーペ」の2タイプのラインナップでした。エクステリア・デザインは、先代よりも丸みを帯びたフォルムに変貌しました。また、ベースモデルに対してはフロントスポイラーや専用アルミホイールの採用などにより控えめな差別化が図られていました。
ボディ・ディメンションは全長4,471mm×全幅1,739mm×全高1,367~1,395mm、ホイールベース2,725mmで、先代からすべての項目において拡大されました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは先代から排気量が100ccあまり拡大された3.3L直6DOHCが搭載されました。スペックは最高出力280ps/6,200rpm・最大トルク34.2kgm/4,500rpmで、先代から15ps/0.5kgmの向上を果たしていました。
組合せられるトランスミッションは、ZF製6速MTまたはゲトラグとボッシュの共同開発による5速トルコン式AT「スイッチトロニック」でした。パフォーマンスはセダン・MT仕様の場合で最高速度266km/h・0-100km/h加速5.7sで、先代と比較すると最高速度が6km/h向上するとともに、0-100km/h加速タイムは0.2s短縮されました。
サスペンション形式は、先代およびベースモデル同様のフロント:シングルジョイント・ストラット式/リア:セントラルリンク式が踏襲されました。ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備され、タイヤは先代より1インチ大径のフロント:225/40ZR18/リア:255/35ZR18が装着されました。
ワゴンとコンバーチブルを追加
また、安全装備面ではSRSデュアルエアバッグシステムやABSに加え、SRS ITSヘッド&サイドエアバッグシステムやトランクションコントロールが採用されました。その後2000年に、5ドアステーションワゴン版の「3.3ツーリング」と2ドアコンバーチブル版の「3.3カブリオ」が追加されました。次いで2002年に仕様変更が実施され、排気量がわずかに拡大されました。
それに伴い、スペックも最高出力305ps/6,300rpm・最大トルク36.9kgm/4,800rpmに向上、パフォーマンスはセダン・MT仕様で最高速度270km/h・0-100km/h加速5.4sとなりました。そして2006年をもって全車生産を終了、翌2007年に5代目3シリーズをベースとした新型B3シリーズがリリースされました。
日本市場においては、1999年10月に3.3リムジン/3.3クーペが上陸し、翌2000年12月に3.3ツーリング/3.3カブリオレが追加されました。次いで2002年10月に改良版に切り替えられるとともに、グレード名が「Sリムジン」「Sクーペ」「Sツーリング」「Sカブリオレ」に変更されました。さらに2004年4月には、旧エンジンとフルタイム4WD方式を採用した「3.3 4WDリムジン」「3.3 4WDツーリング」が追加されました。