BMW車をベースとしたチューンドカーの生産で知られるドイツのアルピナ社は、2005年に5代目「BMW・5シリーズ(E60/61型)」をベースとしたハイパフォーマンス版「B5」シリーズを発売しました。プラットフォームやボディシェルなどは基本的に5シリーズ譲りであったものの、強力なエンジンの搭載によりそれを大きく上回る動力性能を発揮しました。
セダンとワゴンをラインナップ
ボディタイプは5シリーズ同様、4ドアセダンと5ドアステーションワゴン「ツーリング」がラインナップされました。エクステリア・デザインは、専用エアロパーツや専用アルミホイールの採用などにより5シリーズとの差別化が図られました。ボディ・ディメンションは5シリーズと同一の全長4,841mm×全幅1,846mm×全高1,468mm(セダン)/1,491mm(ツーリング)、ホイールベース2,886mmでした。
駆動方式はベースモデル同様FRのみの設定で、エンジンは4.4L V8DOHCスーパーチャージド(最高出力510ps/5,500rpm・最大トルク71.4kgm/4,250rpm)が搭載されました。トランスミッションは、ステアリングにシフトスイッチが備わるZF製6速トルコン式AT「スイッチトロニック」が組み合わせられました。
パフォーマンスはセダンが最高速度314km/h・0-100km/h加速4.7s、ツーリングが最高速度310km/h・0-100km/h加速4.8sという第一級のものでした。サスペンション形式はベースモデル同様のフロント:ダブルジョイント・ストラット式/リア:インテグラルアーム式が踏襲され、ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備されました。
フェイスリフトで性能が向上
タイヤはフロントが245/40R19、リアが275/30R19というワイド&扁平なものが装着されました。また、電子デバイスとして走行安定性を高める「DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)」や「DBC(ダイナミック・ブレーキ・コントロール)」が採用されました。その後、2007年のフェイスリフトでエンジンのアウトプットが最高出力530ps/5,500rpm・最大トルク74kgm/4,750rpmに向上しました。
それにともない、パフォーマンスもセダンが最高速度317km/h・0-100km/h加速4.6s、ツーリングが最高速度313km/h・0-100km/h加速4.6sに向上しました。そして2010年にベースモデルが現行F10/11型にフルモデルチェンジされたことにともない、翌2011年にこれをベースとした「B5ビターボ」にバトンタッチされました。
日本市場においては、2005年3月にまずセダン「スーパーチャージ」が上陸を果たしました。左ハンドル仕様のみの設定で、装備面ではダコタレザーシートやHDDナビゲーションシステム、クルーズコントロール、サンルーフなどが標準装備されました。その後翌2006年1月に、「ツーリングスーパーチャージ」が追加されました。
次いで2007年10月にフェイスリフト版に切り替えられると同時に、グレード名がセダンは「Sリムジンスーパーチャージ」に、ツーリングは「Sツーリングスーパーチャージ」に変更されました。
