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TVR ビクセン (1967-1973):前作グランチュラからエンジンや足回りを一新

TVR ビクセン S1 (1967)

1947年に創業したイギリスの自動車メーカーTVRは、1967年に同社の市販車第一弾であった「グランチュラ」の後継モデルとなる2シーター・スポーツカー「ヴィクセン」をリリースしました。ボディ構造や基本的なスタイリングはヴィクセン譲りであった一方、エンジンや足回りは一新されました。

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グランチュラから全長とホイールベースを延長

TVR ビクセン S1 (1967)

ボディ構造は、鋼管チューブラフレームとFRPボディの組み合わせが踏襲されました。ボディタイプはグランチュラ同様2ドア・フィクスドヘッド・クーペのみの設定で、スタイリングもロングノーズ・ショートデッキのプロポーションが受け継がれました。ボディ・ディメンションは全長3,683mm×全幅1,626mm×全高1,219mmで、グランチュラから全長が延長されていました。

TVR ビクセン S2 (1968)

ホイールベースは2,286mmで、グランチュラから150mmほど延長されました。車両重量は依然として軽く、初期型では700kg台前半に抑えられていました。サスペンション形式は前後ともダブルウィッシュボーン式による4輪独立懸架で、スプリングはグランチュラのトーションバー式に代わりコイル式が採用されました。

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フォード製のエンジンを採用

TVR ビクセン S2 (1968)

駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンはそれまでのBMC製1.6L/1.8L直4OHVに代わり、フォード製の1.6L直4OHV(最高出力89ps/最大トルク13.3kgm)が採用されました。トランスミッションは従来同様の4速MTで、パフォーマンスは最高速度が175km/h、0-60mph加速が10.5sでした。

TVR ビクセン S2 (1968)

また、ステアリング形式はラック&ピニオン式で、ブレーキは従来同様フロントにディスク式、リアにドラム式が採用されました。そして翌1968年に早くもマイナーチェンジが実施され、内外装変更などのリファインが施された「S2」に移行しました。次いで1970年に2度目のマイナーチェンジが実施され、エンジンのパワーアップ(最高出力93psに)やアルミホイールの採用などの仕様変更を図った「S3」に切り替えられました。

トライアンフ製エンジン搭載車を追加

TVR ビクセン S3 (1970)

追って翌1971年にはユーザー層拡大を狙った新グレードとして、トライアンフ製の1.3L直4OHVエンジンを搭載するエントリーモデル「1300」と、同じくトライアンフ製の2.5L直6OHVエンジンを搭載する上級モデル「2500」が追加されました。続いて1973年に最後のマイナーチェンジが実施され、シャシーを一新した「S4」に移行しました。

そして同年をもって生産を終了、後継モデルのリリースはなく、1代限りでビクセンの車名は消滅しました。6年間での総生産台数は1143台で、その内訳はS1が117台、S2が438台、S3が165台、S4が23台、1300が15台、2500が385台でした。なお、ビクセンと共通のシャシーおよびボディを使用した姉妹車種として、1968年から1971年にかけて「タスカン」が製造されました。

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