BMW車をベースとしたチューンドカーの生産で知られるドイツのアルピナ社は、2014年に「BMW・4シリーズ」をベースとしたハイパフォーマンス版「B4」シリーズを発売しました。プラットフォームやパワートレインなどは前年にリリースされた「B3」シリーズと基本的に共通で、優れた動力性能もそのまま受け継がれました。
ボディは2タイプ
ボディタイプは4シリーズ同様、2ドアクーペの「B4クーペ」と2ドアコンバーチブルの「B4カブリオ」がラインナップされました。スタイリングは、専用エアロパーツや専用アルミホイールの採用などにより4シリーズとの差別化が図られました。ボディサイズは全長4,640mm×全幅1,825mm×全高1,373mm(クーペ)/1,380mm(カブリオ)で、B3と比較するとワイド&ローなディメンションとなっていました。
ホイールベースは2,810mmで、4シリーズやB3と共通でした。駆動方式はFRのほかに、クーペには「オールラッド」と呼ばれるフルタイム4WDが設定されました。エンジンはB3と共通の3L直6DOHCツインターボで、最高出力410ps/5,500-6,250rpm・最大トルク61.2kgm/3,000-4,000rpmのスペックにも変更はありませんでした。
300キロオーバーの最高速度を実現
トランスミッションもB3同様、8速トルコン式AT「スイッチトロニック」が組み合わせられました。パフォーマンスは、もっとも高性能なクーペ・オールラッドの場合で最高速度303km/h・0-100km/h加速4sで、クーペFR車は最高速度は同一ながら0-100km/h加速は0.2s劣る4.2sとなっていました。一方、車両重量がはるかに重いカブリオは、最高速度301km/h・0-100km/h加速4.5sと若干劣る数値となっていました。
サスペンションは、ベースモデル同様のフロント:ダブルジョイント・ストラット式/リア:5リンク式の形式を踏襲する一方で、「アルピナ・アダプティブスポーツサスペンション」の採用などの差別化が図られていました。ブレーキはB3同様の4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備され、タイヤサイズもB3と共通のフロント:245/30ZR20・リア:265/30ZR20が装着されました。
日本仕様はFRのみ
その後2017年にフェイスリフトが実施され、現在に至っています。日本市場においては、2014年4月に「ビターボクーペ」と「ビターボカブリオ」が同時に初上陸を果たしました。両モデルともに、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が設定されました。一方で、クーペのオールラッド仕様の導入は見送られました。
快適・豪華装備面では、全車に本革シート&運転席パワーシート、本革巻きステアリングホイール、HDDナビゲーションシステム、クルーズコントロールなどが標準装備されました。