BMW車をベースとしたチューンドカーの生産で知られるドイツのアルピナ社は、2014年にBMWの2ドアクーペ/コンバーチブル(カブリオ)「4シリーズ(F32/33型)」をベースとしたディーゼルエンジン搭載のハイパフォーマンスモデル、「D4ビターボ」を発売しました。一足先にリリースされた4ドアセダン版「D3ビターボ」とは、プラットフォームやパワートレインなどを共有する姉妹車種の関係にありました。
FR車のみをラインナップ
エクステリ面では、D3ビターボ同様に専用エアロパーツや専用アルミホイールの採用などによりベースモデルとの差別化が図られていました。ボディ・ディメンションは全長4,640mm×全幅1,825mm×全高1,382mm、ホイールベース2,810mmで、実質的に4シリーズクーペと同等でした。駆動方式はD3ビターボと異なり「オールラッド」と呼ばれるフルタイム4WDは用意されず、FRのみの設定となっていました。
パワートレインは、D3ビターボと共通の3L直6ディーゼル・ツインターボエンジン(最高出力350ps/4,000rpm・最大トルク71.4kgm/1,500-3,000rpm)と8速トルコン式AT「スイッチトロニック」が組み合わせが搭載されました。パフォーマンスは、クーペが最高速度278km/h・0-100km/h加速4.6sで、車両重量の重いカブリオはそれよりやや劣る最高速度275km/h・0-100km/h加速5sでした。
専用チューニングの足回りを採用
サスペンションは、ベースモデル同様のフロント:ダブルジョイント・ストラット式/リア:5リンク式の形式を踏襲しつつ、専用チューニングが施されたアダプティブスポーツサスペンションが採用されました。また、シャシー特性を「Eco Pro」「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」の4段階に切り替えられる「ドライブ・パフォーマンス・コントロール」も装備されました。
ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備され、タイヤはフロントに245/35ZR19、リアに265/35ZR19が装着されました。また、走行性能を向上させる電子デバイスとして、D3ビターボ同様に「DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)」、「DBC(ダイナミック・ブレーキ・コントロール)」、「DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)」が採用されました。
一方インテリア面では、アルピナ専用のメーターパネルやレザーステアリングホイールなどが装備されました。日本市場においては、2014年11月に「ビターボクーペ」の右ハンドル仕様車が上陸を果たしました。その後、2015年10月と2016年4月の2度にわたりボディカラーの変更が行われました。なお、2017年6月時点でカブリオは日本未導入となっています。