ヤマハにTMAXというバイクがあります。分類的にはスクーターになるのですが、ここではあえて「バイク」と言わせて頂きます。
スクーターの概念を覆す機構
と、言うのもこのTMAXはスクーターの概念を覆す機構が多数採用されており、スクーターというよりはスポーツバイクに近い構成になっているからです。ヤマハのホームページを見てもTMAXはスクーターではなく、スポーツバイクとして分類されているのです。他のスクーターと決定的に違うのはサスペンション周りの機構です。
まずはフロントサスペンション。通常のスクーターですとフロントフォークはアンダーステムのみで支持する短いタイプが採用されていますが、TMAXの場合はスポーツバイクと同様にアンダーステムとトップブリッジの2点で支持する長いフロントフォークが採用されています。これによってスクーターとは思えないほどにフロント周りの剛性が増し、操縦安定性が高まるのです。
次はリアサスペンション。通常のスクーターはフレームからエンジンを吊り下げるスイングユニット式という機構を採用していますが、これは重量物であるエンジンがサスペンションと一緒に動いてしまうので、バネ下重量が重くなり、操縦性が悪い傾向にあります。
TMAX530のアルミダイキャストリアアーム
TMAXの場合はスポーツバイクと同じく、エンジンはフレームにマウントされ、スイングアーム式を採用しているので、通常のスクーターと比べると非常に操縦性が良いです。
TMAX530のアルミ製ダイヤモンドフレーム
カウルがついているので外からでは構造が見えませんが、カウルを剥がした内部は紛れもなくスクーターではなく「バイク」なのです。