大学生の頃、ホンダのオフロードバイクに乗っていました。東北地方のかなり田舎の地域に住んでいたので、普段の移動はもちろん、近くの山でオフロードを楽しんだりして使っていました。
当時、私のバイト先は私の家からバイクで30分以上はかかるところにありました。私の住んでいた家がとても田舎にあったので、ある程度の時給が得られるところでアルバイトするためには、多少長い時間をかけて通勤せざるをえなかったんです。
ちょっと怪しい雲。でもバイクで出発。
ある日の夕方頃、アルバイトに出かけようとすると、ちょっと怪しい雲が気になりました。これは一雨くるかなーと思いながら、雨が降ってもいいように雨具等もバッグに入れて出発しました。実はアルバイト先は電車でも行ける場所なんです。
当時、彼女とのデートや飲み会やらで全然お金のなかった私は、極力お金を節約するためにバイクで移動するようにしていました。飲食店でのアルバイトは終わるとだいたいいつも日をまたいでいて、お店から出るのはだいたい1時位です。
外を見てみると、大降りではないものの、しとしとと雨が降っていました。いやだなあ～と思いながら、滑らないように気を付けてゆっくり運転していこうと心で思いました。走り始めて半分は過ぎたくらいだと思います。街中から離れて、だんだんと家が少なくなってきました。代わりに田んぼや畑、崖や山が多くなってきます。
雨が少しずつ強く…
雨が少しずつ強くなってきました。既にヘルメットの中まで雨が沁みていて、靴もぐちゃぐちゃです。通っている車はありませんでした。雨のせいでとても視界が悪いです。私の乗っていたバイクのライトではあまり明るく照らせず、恐怖心を感じました。
やっと家の近くの見知った道に入ったところです。はあとため息をついたところで、目の前にいきなり黒い車が現れて、そのままぶつかってしまいました。そしてわたしはバイクごと、道路脇の段差がある畑に落ちてしまいました。車はいつもそこに停めてある暗め色の車なんですが、視界が悪いのと、家の近くまできてほっとしたのとで見落としていました。
畑に落ちた私はすぐに起き上がりました。幸い、どこも痛くはありませんでした。しかし、畑と道路は結構段差があり、また畑も雨でぬかるんでいたので、まずバイクを上げるのが大変でした。また、バイクを上げてみると、次はライトが付きません。ぶつかった衝撃で壊れてしまったみたいです。そこから30分くらい、バイクをおして家まで帰りました。家の明かりでよく見るといろんなところに擦り傷があって、彼女に手当してもらいました。
