普段通勤の足として利用している「マグナ50」。駅近くに住んでいるということもあり、遠出でしようすることは滅多にありませんでした。しかしその日は好天の小春日和だったこともあり、ツーリングも兼ねて40キロくらいの距離がある友人宅まで「マグナ50」で出掛けたのでした。
往路は上り坂が多く、50ccのマグナには少しかわいそうなくらい。頻繁にシフトチェンジを繰り返しながらなんとか友人宅まで辿り着きました。用事を済ませた友人宅からの帰路、1キロも走らない内にクラッチの異変に気付きました。クラッチレバーを握った感触と実際クラッチが切れるタイミングのズレを感じたのでした。
調整部分が動いてしまった??
それでも最初は「調整部分が動いてしまったのかな?」と勘繰ってしまいそのまま走行を続けました。往路が上り坂だった分、帰路は下り坂がメイン。今度はシフトチェンジが少なく済んだ事もありましたが、問題無いと高を括っていました。しかし、信号待ちからの発進の際、クラッチレバーを握ったら「スカっ…」と一気に感触がなくなりました。
クラッチワイヤーに目をやると、トランスミッション側でワイヤーが切れ垂れていました。レースの世界であれば、ピットストップを要さない限り、エンジン回転数を同調させてやれば走行可能ですが、公道ではそうはいきません。交差点や踏み切りで一旦停止してしまえば、エンストするしかないのです。何か良い方法はないものかと模索しましたが、都合の良い案は思い浮かばず。時はPM8:00。翌日も仕事は休み。
電車で帰宅し翌日出直すことに
そして、現場が駅近くだったこともあり、駅の駐輪場にバイクを置いて電車で帰宅し翌日出直すことにしました。翌日、バイクショップに運良く該当パーツがあったので購入し、必要な工具を持参して置いていったバイクの元へ駆けつけました。マグナ50のクラッチワイヤーは構造が簡単だったので、10分くらいで交換が完了しました。
ただ、こんなに簡単なことだったら、事前にチェックしておけばよかったと後悔した次第です。ワイヤーが切れる前に、何かしら兆候が見られたはずだからです。原付には車検を受ける義務がないので気軽に捕らえがちですが、裏を返せば自分に点検する気が無ければ、いつ故障してもおかしくないということ。そしてどんな不調が潜んでいるかわからないということ。
大事には至りませんでしたが…
今回はワイヤーが切れただけで大事には至りませんでしたが、それがブレーキだったりしたら大事(おおごと)になっていたのかもしれません。そう考えたら非常に恐ろしく思えたのと同時に、気が引き締まる想いを覚えたものでした。