10年くらい前の話です。当時私は大学生になったばかりで、普段使いでバイクに乗っていました。当時はホンダのSL230に乗っていました。生産されて15年ほどたったものだったと思います。SLを購入した理由は、近くの山でオフロードを楽しむためでした。近所にちょうどいい山道があって、友人やバイク屋の店長といっしょに遊びに出かけていました。
懐かしい!ホンダSL230のテレビCM
当初はオフロードを楽しんでいたんですが、だんだん通学やバイト、買い物だけに使うようになり、タイヤもオフからオンに交換して乗るようになりました。私はバイク以外に移動手段がなかったので、多少の雨であれば、近所でオフロードが楽しめるくらいの田舎路を滑走しておりました。
バイト終わりが遅くなり…
ある日、バイト終わりが遅くなりました。もう深夜一時くらいになっていたと思います。当時私は、家から30キロくらい離れた居酒屋でアルバイトしていました。大学がかなりの田舎にあったので、それくらい離れた市街地に出ないと、なかなか時給のいいアルバイトがなかったんです。当然、移動費の節約もあり、バイクで通勤していました。
その日は年末が近づいていて、特別お客さんが多く、目の回る忙しさでした。後片付けもかなりの量で、疲れ果てていました。やっとすべて片付いて、弊店準備も終わって店長らと、お疲れ様でした、お店を出てバイクにまたがります。道をみるとうっすら湿っていました。少し前に雨が振ったみたいでした。
疲れを自覚していたので…
疲れを自覚していたので、慎重に運転しようと思いました。ゆっくりゆっくり運転していた帰り道、やっと家の近くになって気が緩んだんだと思います。前に駐車してある車に全然気づかず、ぶつかってしまいました。そして私はバイクごと、道路脇にある田んぼに転落。
背中を強打したみたいで、しばらく悶絶しました。
家に近づいていたので、なんとかバイクを押して帰りました。朝、起きてみると背中や胸があざだらけで、手の指も強烈に痛みます。病院にいってみると、手と肋骨を骨折し、背中は強く打撲していました。さらに、夜にぶつかった車を見に行ってみると、超高級車とは言わないまでも、ある程度の高級車の後部がボッコリ凹んでいました。
顔見知りのお宅だったので…
顔見知りの方のお宅だったので、チャイムを鳴らして、素直に事情を説明し、謝りました。
相手は顔見知りのせいか、私の包帯を見てかは分かりませんが、幸い感情的になられることもなく、警察を呼ぶような事態にはならなかったんですが、もちろん私が修理費用を出すことに。頑張ってバイトで貯めたお金の8割が出ていきました。
お金はなくなりましたが、道路脇から田んぼに落ちていくあの感覚を思い出すたびに、命があってよかったと本当に心から思います。