1980年代後半日本のバイクシーンは空前絶後のレーサーレプリカブームで、ツーリングに行くとローリング族が峠を占拠し、街中を走っていても、レーシングスーツにブーツを着用したバイカーを散見する程でした。二輪のレースの世界でもワールドグランプリ(現在はMOTO GP)は、日本でも人気で地上波でテレビ放映されていました。そんな中、私はアメリカのテキサス出身のフライングテキサンこと「ケビン・シュワンツ」の大ファンでした。
シュワンツファンなのでRGV250Γを選択
当時はホンダのNSR250、ヤマハのTZR250、カワサキのKR-1が250ccの2ストロークレプリカがラインナップとしてありましたが、迷うことなくシュワンツファンの私はスズキ RGV250Γを選択しました。
スズキ RGV250Γは1988年発売で、バイクショップで店員さんに「88年式の中古車がありますよ!実は88年式のガンマは59馬力出てるんですよ!」と言われ、たしかカタログでは45馬力だったのに凄い!と少し心を動かされましたが、それまで新車に乗ったことがなかったので、青白(当時は新幹線カラーと言われてました)の89年式の車両に決めました。慣らし運転を済ませツーリング仲間とよく峠に行きました。
8000回転あたりから2弾ロケットのように
車体が軽くライディングはとてもヒラヒラした感じで加速もフラットな特性ではなく、昔ながらの2ストエンジンの感じで8000回転あたりから2弾ロケットのように爆発的に加速し、体感的に気持ちの良いものでした。フローティング式のブレーキも「ミィ~ン」と音がして効きもよく、気分は「ケビン・シュワンツ」でした。
中間的な加速のツキの良さやアクセルのスムーズさはNSR250が一番良く、コーナーリングの安定感やスムーズさはTZR250が勝っていたように思われます。その当時でガンマの改良の余地をあげるとすると、「1速のギアが低すぎて少しタイトなコーナーではギクシャクする」「ハンドル位置が少し遠く、腰と肩が痛くなりやすい」「蛇腹式のミラーが変」くらいが気になりましたが大変気にいってました。
3年間で24,000km位走行し、全く故障も無かったのですが、夜間に盗難に遭い、ライトやメーター類を含むアッパーカウル全体と、何故か左側面のカウルだけを盗られました。仕方なく全然違うバイクに乗り換えましたが、今でも右側面のカウルだけが残っていて大切に保管しています。
余談ですが、去年の鈴鹿8時間耐久レースにケビン・シュワンツが出場するということで、鈴鹿に観戦に行きましたが、スタートした第一ライダーが転倒してシュワンツは決勝で一周も走ることなくレースを終え非常に残念でした。また機会があればサーキットにてシュワンツの走りを見たり、2ストのレプリカに乗りたいです。