高校生の頃、友人の一人が異様なまでのバイク愛を語り、バイク免許を早く取得したくてウズウズしている様子を毎日のように見ていたのを今でも思い出します。当時の私はバイクに全く興味関心が無かったもので、一体全体バイクの何がかっこよくて何がそんなに心を駆り立てるのだろうと甚だ疑問に感じていました。しかし、高校卒業後に新聞配達アルバイトをするため原付免許の取得が必要になり、渋りつつも免許試験のための勉強を重ね、原付免許を取得しました。免許取得後は日々の新聞配達を熟していました、この頃も未だバイクに対する興味はそれほどありませんでした。
友人の話を聞いているうちに…
そんなある日、新聞配達中に効き慣れた声で呼び止められました、振り返ると高校時代のあのバイク大好きなあの友人がバイクに跨りながら私に手を振っていたのです。ちょっとの間、新聞配達を中断して雑談をし、彼のバイク愛とバイクの良さを聞いているうちに私自身もバイクに興味が湧くようになりました。すぐさまバイクの免許を取得し、バイク好きでしばしば私に免許を取ったらお古のバイクをプレゼントしてやると話してくれていた叔父にバイクを譲ってくれないかと相談すると、快くホンダのCB400を譲ってくれました。
毎年熟成を重ねるCB400
明らかに私にはもったいないほどの重厚感あるバイクに心が躍り、そんなバイクをプレゼントしてくれた叔父にただただ感謝しました。叔父は初めてのバイクに舞い上がっていた私に一緒にツーリングに行かないかと誘ってくれました。早くバイクに乗りたくてたまらなかった私は勿論承諾し、共にツーリングに出かけました。原付とは多少勝手が異なりましたが、新聞配達で養ったバイク勘の御蔭で練習時間は殆ど設けることなく乗る事ができました。
それでも初めてのバイクに緊張で肩が強張ってしまい、思う様に走らせるようにできず、叔父は私にバイクのスピードを合わしてくれるように併走し、時々こちらの様子をうかがっているようでした。走行時間を重ねるにつれ、徐々に緊張もほぐれて周りの景色を楽しむ余裕が生まれてきました。風を切る感覚が心地よく、出来る事ならどこまでも走っていきたいという衝動に駆られました。
私はこれから先何十年もバイクに乗り続けるでしょう
叔父にバイクを譲り受け、初めてのツーリングをしたあの日から数年が経ちましたが、今でも休日にはバイクを走らせツーリングを楽しんでいます。今ならバイク大好きな友人の気持ちが手に取るように分かります。私はこれから先何十年もバイクに乗り続けるでしょう。