1988年7月の最後のマイナーチェンジで、このモデルチェンジを最後にRZは生産中止となりました。このモデルチェンジで、RZ国内モデル唯一のデジタル進角C.D.Iが採用されました。また、当時の4ストロークエンジンのレーサーレプリカFZR250の足回りを移植したような変更が行われていて、前後ホイールが17インチの3本スポークホイールに変更されました。
最後と知って衝動買い
中学生の頃からRZに憧れていた私にとってみれば、これまでの歴代のRZの称号を受ける最後のモデルであり、改良に改良を重ね熟成された最終形態のモデルとなるこのバイクを購入せずにはいられませんでした。バイク雑誌でこのRZに関する記事を読んでいたら、気持ちが抑え切れなくなりその週末には、バイク屋に駆け込んでいました。今思い返してみれば、半分…いや殆んど衝動買いと言って良い状況でした。
納車され、初めてキーを捻った時のYPVSの作動音、2サイクル車独特の排気音は今でも懐かしく思い出せます。このバイクに乗り換え、1点だけ後悔したことが有りました。それは…空気抵抗。それまで、フルカウルのレーサーレプリカに乗っていましたが、RZに乗り換えて初めてフルカウルの偉大な力を思い知らされました。
ネイキッドのバイクで風を全身で感じながら
とは言え、バイクはやっぱり風を切って走るものなので、ネイキッドのバイクで風を全身で感じながらのんびり走るのがとても気持ち良く、東京から大阪まで高速道路を使わずに14時間程度掛けてソロツーリングをしたことを思い出します。
一般道を法定速度で走り、赤信号で停まって、青信号で発進することを繰り返し、気になる風景、店等があればバイクを脇道に停めて、その風景やお店の雰囲気を楽しみながら走りました。朝の6時、まだ辺りが少し薄暗い頃に東京を出発し、大阪市内に入った頃には20時をまわっていました。
後日、バイク仲間から冗談半分で高速代なら貸してやったのにとからかわれたりもしましたが、本当に心に残る良いツーリングが出来ました。誰にも言ってませんが、そのうちまたネイキッドバイクを買って一般道を使ってツーリングを楽しみたいと思える良い思い出を作ってくれた1台でした。最近、近くの中古車を扱う店で1台売りに出されていたのを見かけて、この時のことを懐かしく思い出しました。
ヤマハ RZ250R (3HM ’88)の主要諸元
エンジン形式:水冷2サイクル並列2気筒ピストンリードバルブ
総排気量:247cc
点火方式:デジタル進角C.D.I
キャブレター:VM26SS
始動方式:キック式
ミッション:6段リターン
全長/全幅/全高:2070/665/1065mm
タイヤ前:100/80-17(52H)
タイヤ後:120/80-17(61H)
ブレーキ前:油圧式Wディスク
ブレーキ後:油圧式シングルディスク
乾燥重量:136Kg
パワーウエイトレシオ:3.02kg/ps
低地燃費:42km/litter (50km/h)