BMWのフラッグシップサルーン「7シリーズ」の現行型は、2009年3月に日本での販売が開始され、同年10月に同社初となるハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド7」が追加されました。同一エンジンを搭載する純ガソリンエンジングレードを凌ぐ燃費性能と動力性能を実現、更に後期型はハイブリッドユニットの刷新により一層燃費が向上しました。
スタイリングは他の7シリーズと基本的に共通ながら、専用アルミホイールなどにより差別化が図られています。ノーマル・ホイールベースの「アクティブハイブリッド7」とロング・ホイールベースの「アクティブハイブリッド7L」がラインナップされ、全長は前者が5,070~5,080mm、後者が5,210~5,220mmで、1,900mmの全幅と1,485mmの全高は両者共通となります。
初期型はV8エンジンベースのHVシステムを搭載
車両重量は、同一エンジン搭載の「750i/750Li」より80kg重い2,120kg/2,270kgでした。その他、前:ダブルウィッシュボーン式/後:インテグラルアーム式のサスペンションや、FRのみが設定される駆動方式は他の7シリーズと同様になります。初期型に搭載されたパワートレインは、4.4L V8ツインターボエンジン(最高出力407ps/最大トルク61.2kgm)とモーター(最高出力20ps)の組み合わせでした。
システムとして最高出力465ps/最大トルク71.3kgmを発生し、8速トルコン式ATとの組み合わせにより、「アクティブハイブリッド7」の場合で0-100km/h加速は「750i」より0.3s速い4.9sの動力性能を備えていました。それと同時に、「750i」を約40%上回る燃費と約15%少ないCO2排出量と実現するなど、優れた燃費・環境性能を併せ持っていました。
装備面では他の7シリーズ同様の装備に加え、車外からエアコンの操作が可能な「リモートクライメートコントロール」が独自機能として追加されました。そして2011年10月に、スポーティーな内外装が付加されるセットオプション「Mスポーツパッケージ」が設定されました。次いで2012年9月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトやメーターパネルのデザイン変更が行われました。
M/CでHVシステムを一新し安全装備も充実
同時にハイブリッドユニットが一新され、エンジンが最高出力320ps/最大トルク45.9kgmのスペックを持つ3L直6シングルターボにダウンサイジングされると共に、モーターが最高出力54psの物に置換されました。それに伴い、「アクティブハイブリッド7」の0-100km/h加速は0.8s遅くなり5.7sとなった一方で、燃費は9.1km/Lから14.2km/Lへ向上し、CO2排出量も219g/kmから158g/kmへ削減されました。
又、安全装備も強化され、「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「レーンディパーチャーウォーニング」から構成される「ドライビングアシストプラス」が標準装備されました。その他、足回りにも改良が加えられると共に、「アクティブハイブリッド7L」のみに装備されていたエア式リアサスペンションが、「アクティブハイブリッド7」にも装備されました。
次いで2013年8月の一部改良の際には、事故発生時に通信機能を用いてサポートする「BMW SOSコール」や「BMWテレサービス」、タッチパッド付の「iDriveコントローラー」が標準装備されました。そして2014年8月の一部改良では、新インフォテインメントシステムの「BMWコネクテッドドライブ・プレミアム」や、左右後方の死角を走行する車両の存在を知らせる「レーンチェンジウォーニング」が標準装備されました。