日産のワンボックス型バン/ワゴン「NV200バネット」は、「バネットバン」の後継車種として2009年5月に発売されました。世界市場を視野に置いたグローバルカーで、ワンボックス車ならではのスペースユーティリティーに加え、商用ユースが主力となるモデルながら同社のミニバン「セレナ」を彷彿とさせるスタイリッシュなフォルムが備わるのが特徴です。
様々な仕様を用意
ボディは左右に後席用スライドドアを備える5ドアで、バンにはパネルバンタイプの「ルートバン」が設定されます。室内の仕様は、バンには1列シート2人乗り仕様と2列シート5人乗り仕様が、ワゴンには2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様が設定されます。スタイリングは、短いノーズと独特なウエストライン処理が備わり、ボクシーなボディ形状だったバネットバンとは大きく雰囲気が異なります。
ボディサイズは全長4,400mm×全幅1,695mm×全高1,850~1,855mmで、バネットバンより全長が延長されたものの、全幅は日本の5ナンバーサイズを維持しています。又、ホイールベースは500mm以上長い2,725mmとなっています。車両重量はバンが1,200~1,270kg、ワゴンが1,310~1,350kgで、バネットバンからは大幅に軽量化されています。
サスペンション形式はフロントがストラット式、リアは古典的なリジッド・リーフ式で、駆動方式はFFを採用します。フロントに搭載されるエンジンは、国内仕様には1.6L直4ガソリンNAのHR16DE型(最高出力109ps/最大トルク15.5kgm)が採用されます。トランスミッションは4速トルコン式ATの他、バンには5速MTも設定されます。10.15モード燃費は、13.2~14.8km/Lとなっています。
グレード体系を充実
発売当初のグレード体系は、バンが標準グレード「DX」と上級グレード「GX」(5人乗り仕様のみ)で、ワゴンは7人乗りの「16S」のモノグレードでスタートしました。そして翌2010年10月に一部改良を実施し、ワゴンにフォグランプやフルトリム化された内装などが備わると同時に5人乗り仕様が追加され、グレード名が「16X-2R」(5人乗り)及び「16X-3R」(7人乗り)となりました。
次いで同年12月に、バンに「DX」と「GX」の中間を埋めるグレード「VX」が追加されました。続いて2014年4月に、バンに専用フロントマスクやプラバシーガラス、2列目スライドサイドウィンドウ、インテリジェントキーなどが備わる最上級グレード「プレミアムGX」が追加されました。次いで同年9月の一部改良では、ワゴン全車に横滑り防止装置「VDC」が標準装備されました。
同時に、ワゴンにも「プレミアムGX」とほぼ同等の装備が備わる上級グレード「プレミアムGX-2R」及び「プレミアムGX-3R」が追加されました。次いで同年10月に、バンにもVDCが標準装備されました。