日産のワンボックス型バン/ワゴン「e-NV200」は、「NV200バネット」をベースにしたEVとして2013年11月に開催された東京モーターショーに初出展され、2014年10月に販売が開始されました。内外装は、EV化に伴い一部仕様変更が行われているものの基本的にNV200バネットと共通で、パワートレインにはハッチバック型EV「リーフ」の物が移植されています。
リーフに類似したフロントマスクを採用
ボディはNV200バネット同様、左右に後席用スライドドアを備える5ドアで、バンにパネルバンタイプの「ルートバン」が設定される点も同一となります。又、バンに1列シート2人乗り仕様と2列シート5人乗り仕様が(ルートバンは2人乗り仕様のみ)、ワゴンに2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様が設定される点も同一になっています。
スタイリングは、NV200バネットのボディを利用しながらも、リーフを彷彿とさせるデザインのフロントマスクや専用デザインのホイールなどの採用により、EVモデルとしてのアイデンティティーが強調されています。ボディサイズは全長4,560mm×全幅1,755mm×全高1,850~1,855mm、ホイールベースは2,725mmで、NV200バネットバンより全長が160mm、全幅が60mm拡大されています。
車両重量はバンが1,510~1,570kg、ワゴンが1,620~1,660kgで、EV化とボディ拡大に伴いNV200バネットから300kg程増加しています。サスペンションは、形式こそフロント:ストラット式/リア:リジッド・リーフ式を踏襲するものの、重量増加に対応する為フレーム共々強化が図られています。駆動方式はFFを踏襲し、搭載されるモーターは前述の通りリーフと同一の物となります。
リーフに備わらない独自機能を装備
スペックも最高出力109ps/最大トルク25.9kgmで同一であるものの、後続距離はJC08モードで185~190kmとなり、リーフの224kmよりもやや短くなっています。その一方で、バッテリー残量警告灯が点灯すると最高速度を100km/hに制限する「エナジーセーブモード」や、回生ブレーキと摩擦ブレーキを組み合わせた新開発の回生強調ブレーキなど、リーフには備わらない独自機能が装備されます。
インテリアは基本的にNV200バネットと共通ながら、ブルー照明のデジタルシングルメーターやピアノブラック調のフローティングセンターパネル、EV用シフトセレクターなどの採用により差別化が図られています。又、走行用バッテリーから最大1500Wの電力を取り出す事が出来る外部給電機能が備わるのも、e-NV200ならではの特徴となっています。
グレード体系は、バンにはルートバン仕様、2人乗り仕様、5人乗り仕様それぞれに標準グレード「VX」と上級グレード「GX」の2種類が設定されます。一方ワゴンは、「G」のみのモノグレードに5人乗り仕様と7人乗り仕様が設定されます。