初代モデルが2002年にデビューしたトヨタのBセグメント・コンパクトカー「ist」は、2007年7月のフルモデルチェンジにより2代目の現行型となりました。3代目ヴィッツのプラットフォームやメカニズムを利用しながらも、スタイリッシュかつ居住性に優れた上級車種としての位置付けになっています。デザイン上は、クロスオーバーSUV風のテイストが取り入れられている点が特徴となります。
初代からボディサイズを拡大
ボディタイプは5ドアハッチバックで、「タフ&アクティブ」をコンセプトにしたアグレッシブかつ安定感のあるスタイリングが備わります。ボディサイズは全長3,930mm×全幅1,725mm×全高1,525~1,540mmで、3代目ヴィッツよりも一回り大きく、全幅は3ナンバーサイズとなっています。ホイールベースは3代目ヴィッツと同一の2,460mmで、車両重量は1,150~1,210kgとなっています。
サスペンション形式は、ヴィッツと共通の前:ストラット式/後:トーションビーム式を採用し、駆動方式は初代モデル同様FFとフルタイム4WDが設定されます。搭載エンジンは、初代モデルが1.3L/1.5Lであったのに対し、発売当初は1.5L/1.8Lの2本立てでスタートしました。1.5Lユニットは初代から踏襲した直4DOHCの1NZ-FE型で、最高出力/最大トルクはFFが109ps/14.1kgm、4WDが103ps/13.5kgmとなります。
一方1.8Lは、直4DOHC Dual VVT-iの2ZR-FE型で、最高出力132ps/最大トルク17.5kgmのスペックでした。トランスミッションは1.5LがCVT、1.8Lが4速トルコン式ATで、4WD車は1.5Lのみに設定されました。インテリアは、初代のセンターメーター方式から一般的なデザインに改められたものの、浮きあがったような形状のフローティングセンタークラスターの採用などにより個性が演出されました。
又、後席のレッグスペースが拡大されると共に、シートスライド&リクライニング機構が備わるなど、居住性の改善が図られました。安全装備面では、SRSサイド&カーテンエアバッグシステムが全車に標準装備されました。グレード体系は、「150X」「150G」「180G」の3種類がラインナップされました。そして2009年10月に一部改良を実施し、1.5L車の燃費が10.15モードで0.6km/L改善されました。
一部改良で安全装備が充実
次いで2010年8月に2度目の一部改良を実施し、前後バンパーがボディ同色のカラードバンパーに変更されると共に、リアスポイラーの大型化が図られました。同時に内装色が一部変更された他、装備を簡略化した廉価グレード「150X Cパッケージ」が追加されました。そして、1.8Lエンジン搭載の「180G」はカタログ落ちしました。続いて20011年8月の一部改良では、ボディカラーの追加とシート柄の変更などが行われました。
更に2012年6月の一部改良では安全装備の充実が図られ、全車に横滑り防止装備「VSC」やトラクションコントロールの他、中央後席に3点式シートベルトとヘッドレストが装備されました。同時にメーターのデザインが変更され、ボディカラーに新色が追加されました。
先代モデル:初代ist