マツダの中型4ドアセダン「ルーチェ」の初代モデルは、当時ベルトーネに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロの手によりプロトタイプがデザインされ、マツダの社内デザイナーにより大幅なリデザインが施された市販型が1965年の東京モーターショーで初公開されました。そして翌1966年8月に、大衆車「ファミリア」に次ぐ同社の普通乗用車第2弾として発売されました。
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プロトタイプ譲りのスタイリング
スタイリングはプロトタイプ譲りの美しいもので、直線基調のすっきりしたボディラインや低く抑えられたボンネットフード、細く繊細な各ピラーなどヨーロピアンセンスに溢れていました。ボディサイズは全長4,370mm×全幅1,630mm×全高1,410mm、ホイールベースは2,500mmで、トヨタの「クラウン」と「コロナ」の中間程度の大きさでした。車両重量は初期のモデルで1,050kgでした。
サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリジッド・リーフ式という当時として一般的な形式でした。駆動方式はプロトタイプがFFであったのに対し、市販型はコンベンショナルなFRが採用されました。発売当初搭載されたエンジンは、最高出力78ps/最大トルク11.8kgmのスペックを持つ1.5L直4SOHCシングルキャブのレシプロユニットでした。
トランスミッションは4速MTの他トルコン式ATも用意され、最高速度は150km/h(MT仕様)でした。インテリアは、プロトタイプの3眼式メーターから2眼式メーターに変更されたものの、水平基調の美しいデザインを受け継いだインパネが採用されました。又、フロントセパレートシートの5人乗り仕様が一般的であった中、フロントにベンチシートを採用した6人乗り仕様だった点も特徴でした。
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高性能版を追加
グレード体系は「スタンダード」と「デラックス」が設定され、サイドターンシグナルランプは後者のみに装備されました。そして翌1967年6月に、スポーティグレードの「SS」が追加されました。1.5Lユニットにツインキャブが装備され最高出力が86psに向上した他、インテリア面ではタコメーターが備わる4眼式メーターや3本スポークウッドステアリングが採用されました。
又、標準型が4輪ドラムブレーキであったのに対し、フロントにディスクブレーキが奢られました。最高速度は、標準型より10km/hアップの160km/hでした。次いで1968年9月に一部改良を行い、法規改正に対応する為シートベルトとハザードランプが装備されました。同時に、「SS」に当時流行のアイテムだったレザートップが標準装備されました。
続いて同年12月に、最高出力100psを発生する1.8L直4SOHCエンジンを搭載し、ボンネットフード上にエアスクープを新設した「ルーチェ1800」が追加されました。最高速度は、「ルーチェ」改め「ルーチェ1500」の標準車を15km/h上回る165km/hでした。次いで1971年3月に一部改良を実施し、1.5L車が廃止され1.8L車に一本化されると共に、エアスクープの左右に樹脂製の装飾が追加されました。
初代ルーチェは、ハイオーナーカーの先駆け的存在となった他、輸出先の欧州ではスタイリングの美しさから好評を博しました。一方国内では、車格に対し初期の1.5Lエンジンではやや力不足だった事や、マツダの顧客層の傾向などから販売は伸び悩みました。そして1972年11月にフルモデルチェンジを実施し、商品力を大幅に高めた2代目モデルにバトンタッチされました。
後継モデル:2代目ルーチェ
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