ホンダは1984年7月、1981年11月発売のハッチバックコンパクトカー「シティ」にオープンモデルの「カブリオレ」を追加しました。プラットフォームやパワートレインはハッチバックモデルと共通で、ボディはイタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナの手によりソフトトップ・カブリオレ化されました。この種のモデルとしては人気が高く、比較的多くの台数が販売されました。
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耐候性の高いトップを採用
独立したトランクルームが備わる2ドア仕様となったボディにはオーバヘッド・バーが装備され、手動開閉式のソフトトップはホンダ独自の開発による耐候性の高い素材が採用されました。又、リアウィンドウに視界や耐久性の点で有利なガラス製が採用された他、オープン時にソフトトップの保護やバタ付き防止に役立つソフトトップカバーも標準装備されました。そして、ボディカラーが全12色用意された事も特徴でした。
ボディサイズは全長3,420mm×全幅1,625mm×全高1,470mmで、バンパー形状の相違やブリスターフェンダーの採用によりハッチバックモデルから全長が40mm、全幅が55mm拡大されました。ホイールベースは同一の2,220mmとなるものの、トレッドはフロントが30mm拡大され1,400mmに、リアが20mm拡大され1,390mmになりました。車両重量は100kg以上増加し800~810kgとなりました。
サスペンションは形式こそハッチバックモデル同様の4輪マクファーソンストラット式を踏襲するものの、プログレッシブ・コイルスプリングや前後にスタビライザーが備わる専用品が採用されました。又、フロント・ディスクブレーキがベンチレーテッド型にアップグレードされた他(リアはドラム式を踏襲)、タイヤサイズもワイド&扁平化された175/60R13に変更されました。
ホンダ シティカブリオレのCM
エンジンはNAのみ
エンジンはハッチバックNA車と同一の1.2L直4SOHCのER型で、トランスミッションは5速MT又はトルコン式AT「ホンダマチック」が組み合わせられました。エンジンのスペックはMT用が最高出力67ps/最大トルク10kgm、AT用が最高出力63ps/最大トルク10kgmで、10モード燃費はハッチバックモデルよりやや低下しMT車が16.4km/L、AT車が13.2km/Lとなりました。
インテリア面では、シート素材にファブリックとビニールレザーの2タイプが用意された他、リアシートを前に倒す事でトランクルームと一体になるトランクスルー・リアシートが採用されました。翌1985年3月にはマイナーチェンジを受け、可倒式ドアミラーの採用やメーターデザインの変更などが行われました。そして1986年10月のフルモデルチェンジに伴い、生産終了となりました。
2代目モデルにはカブリオレが設定されなかった為、シティのカブリオレバージョンは生産期間約2年という短命に終わりました。