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スバル R1(2005-2010):R2をベースに開発された軽スペシャリティカー [RJ1/2]

富士重工業は2005年1月、2003年12月にリリースした5ドアハッチバック型軽乗用車「スバル・R2」をベースとした3ドアハッチバックの軽スペシャリティカー「スバル・R1」を発売しました。基本メカニズムをR2と共有しながら、全長が110mm、ホイールベースが165mm短縮されると共に、2+2シーター仕様の割り切ったパッケージングが採用されました。

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「てんとう虫」がモチーフ

スタイリングはR2の延長線上にあると同時に、「てんとう虫」の愛称で親しまれたかつての「スバル・360」をモチーフとするデザインイメージが取り入れられました。又、愛嬌のある雰囲気と同時に、ホイールアーチが強調されたボディラインやクラス最大の15インチアルミホイール&タイヤの採用により、アグレッシブな雰囲気も醸していました。

ボディサイズは全長3,285mm×全幅1,475mm×全高1,510mm、ホイールベースは2,195mmで、車両重量は初期型で800~840kgでした。サスペンション形式はR2同様の4輪ストラット式独立懸架で、駆動方式も同様にFFとビスカス式のフルタイム4WDが設定されました。エンジンは当初、660cc直4DOHC NA仕様のEN07型(最高出力54ps/最大トルク6.4kgm)のみが用意されました。

トランスミッションは、インパネシフト式のCVTが組み合わせられました。ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク式、リアがドラム式で、安全装備としてEBD&ブレーキアシスト付ABSやSRSデュアルエアバッグシステムが標準装備されました。グレード体系は、発売当初は「R」のみのモノグレード設定でした。

スバル R1 商品解説ビデオ

エンジンラインナップを拡大

そして同年7月にSOHC NA仕様のEN07型エンジン(最高出力46ps/最大トルク5.9kgm)を搭載し、14インチアルミホイール&タイヤが装着される廉価グレード「i」が、更に同年11月にはDOHCメカニカルスーパーチャージャー仕様のEN07型エンジン(最高出力64ps/最大トルク10.5kgm)と7速マニュアルモード付のスポーツシフトi-CVTを搭載するスポーティグレード「S」が追加されました。

次いで2006年11月、CVTの改良により燃費・環境性能が向上すると共に、メカニカルスーパーチャージャー仕様エンジンがレギュラーガソリン仕様に変更され最大トルクが9.5kgmとなりました。同時に、ボディカラーが一部変更になりました。続いて2007年6月、iが廃止された一方で、ボディカラーに新色が1色追加されました。

次いで2008年6月の一部改良で運転席シートベルト未装着ウォーニングブザーが装備されると共に、ボディカラーに新色が1色追加されました。続いて2009年11月に専用のインテリアが備わる特別仕様車「プレミアムブラックリミテッド」が設定された後、翌2010年3月に軽自動車の自社開発からの撤退方針に従い、生産終了となりました。

スバル R1の口コミ評価/新車購入インプレッション

元々小さい車が好きで、軽自動車も勿論興味の対象に入り、何台か乗り継いだ時期があります。中でも一番気に入っていた思い出深い車種が、スバルR1です。年式は2007年式、グレードはスーパーチャージャー付の「S]のFF仕様(型式ABA-RJ1)で、近くのスバルディーラーで新車で購入しました。

軽自動車としては高価だけど

価格は、カーナビなどのオプションを付けた事もあり総額で170万円程で、軽自動車としては高価でした。普段、一人で車に乗る事が多いので、4ドアである必要性や室内が広い必要性はなく、あくまでもスタイリング優先で良かった為、R1は正にピッタリの1台でした。

ただ、デザインは大変気に入っていたのですが、やはり車は乗ってなんぼのものですから、是非とも試乗はしたいと思っていました。しかし、R1はあまり人気がない車種だった為か、全国の何処にも試乗車はおろか展示車さえも用意されておらず、事前に実車を確認したりドライブフィールを確かめる事は、不可能でした。

技術屋志向の強いスバルなら

でも、とても好きな車でしたし、技術屋志向の強いスバルが変な車を造る筈がないという確信があったので、一度も実車を間近で見た事もないまま、思い切って契約しました。

そして、2週間程で納車されたので、早速筑波山方面にドライブに出掛けました。まず最初に感じたのが、エンジンのフィーリングの良さです。さすが4気筒だけあり、回転が滑らかで振動も少なく、音も3気筒とは一味違う自動車らしい音がしました。

そして、スーパーチャージャーの威力でアイドリング付近から高回転域まで全域で力強く、1L~1.3Lクラスのコンパクトカー並みの動力性能が感じられました。筑波の上り坂でも、軽自動車とは思えない力強さでグイグイ上って行きました。

自然な過給フィーリング

又、以前乗っていたターボチャージャー付の軽自動車が、低速トルクがやや心許ない一方、過給が始まると急にトルクが立ち上がる不自然さが感じられたのに対し、こちらは遥かに自然なフィーリングで、まるで出来の良いNAエンジンのようなキャラクターでした。

又、CVTのフィーリングも違和感が少なく、さすがCVTのキャリアが長いスバルだけあると感心しました。一方、ハンドリングも悪くはないのですが、ステアリングが軽過ぎ、路面からのインフォメーションも希薄な為、ワインディングロードで楽しいかと言えば微妙な部分がありました。

ロードホールディングは良好

しかし、4輪独立懸架の威力でロードホールディングは良好で乗り心地も良く、荒れた路面でも安心して走行出来る良さはありました。高速道路走行時においては、軽量でホイールベースが短い割には直進安定性が優れており、追い越し加速も十分に効くので、軽自動車ながら快適に走行出来ました。

一方、市街地走行では、一般の軽自動車よりも少し小ぶりな車体と素直なエンジン特性のお陰で、ミズスマシのように走り廻れました。しかし、AピラーとCピラーが太い為、交差点を曲がる時やバックする時は、安全確認に神経を使いました。

これは、スタイリング優先の弊害なので仕方ないところです。全体的には、多少の欠点があったとは言え、美点の方がずっと多かったので、大変気に入って乗っていました。

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