かつてイギリスに存在していた自働車メーカー、ローバー・グループの小型乗用車「ローバー・200」は、1995年に6年ぶりのフルモデルチェンジを受け3代目R3型に移行しました。BMW傘下に入るとともに本田技研工業との提携関係が解消されたこともあり、先代から基本設計が一新されました。また、コンパクトカー「MG・メトロ」の後継モデルとしての役割も担ったため、ボディが短縮されました。
ボディは2タイプに整理
ボディタイプは3ドアおよび5ドアハッチバックの2タイプで、先代に用意されていた5ドアステーションワゴン/2ドアクーペ/2ドアカブリオレはフェイスリフトの実施のみで継続販売されました。スタイリングは、直線基調の先代から丸みを帯びたフォルムへと大きく変貌しました。また、Cd値0.33を実現するなど空力特性に優れていたことも特徴でした。
ボディサイズは全長3,973mm×全幅1,688mm×全高1,419mmで、先代から全長が250mmほど短縮された一方、全幅と全高は幾分拡大されました。ホイールベースは50mmほど短縮され、2,502mmとなっていました。サスペンション形式は、フロントは先代同様のマクファーソンストラット式で、リアはダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式に変更されました。
歴代モデル初のCVTを設定
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは当初、1.4L直4DOHC(最高出力105ps)および1.6L直4DOHC(最高出力111ps)のガソリンNAと、2L直4(最高出力86ps)および同インタークーラー付き(最高出力105ps)のディーゼルターボが用意されました。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATのほか、1.6Lエンジンには歴代200シリーズ初のCVTが設定されました。
また、安全装備面ではABSが標準装備から外されオプション設定となった一方、SRSデュアルエアバッグシステムが標準化されました。その後、ガソリンエンジンの新たなラインナップとして、1.1L直4SOHC(最高出力60ps)、1.4L直4SOHC(最高出力75ps)、1.8L直4DOHC(最高出力120ps)および同可変バルブタイミング機構仕様(最高出力145ps)が追加されました。
日本には1.6L/1.8Lガソリン車を導入
また、1998年に専用の内外装や足回りが備わる3ドアボディに、1.8Lエンジンを搭載した新グレード「BRM」が追加されました。そして1999年をもって全車生産終了となり、200シリーズは15年の歴史に幕を下ろしました。日本市場においては、1996年9月にまず3ドア「200Si」と5ドア「200Si」および「200SLi」が上陸を果たしました。
パワートレインはいずれも1.6Lエンジン+CVTの組み合わせで、装備面では全車にルーフスポイラーやウッドパネルなどが、さらに200SLiにはレザーシートなどが標準装備されました。次いで1997年8月に、1.8L可変バルブタイミング機構仕様エンジン+5速MT搭載の3ドアモデル「200Vi」が追加されました。