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日産 シルビア (3代目 S110 1979-1983):4灯ライトのプレーンなスタイリングに変身。クーペブームの一翼を担う

日産 シルビア ハードトップ '79-'83

日産 シルビア ハードトップ ’79-’83

日産のスペシャリティカー「シルビア」は、1979年3月にフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。個性的なスタイリングで人気はイマ一つだった2代目シルビアの経験を踏まえ、プレーンで癖のないスタイリングに変貌すると共に、動力性能の向上や装備の充実が図られました。同時に姉妹車種「ガゼール」も発売され、共に念願の人気モデルとなりました。

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ボディは直線的になり、2種類を用意

ボディサイズは先代よりも一回り以上拡大され、全長4,400mm×全幅1,680mm×全高1,310mmとなりました。ボディ形状は、当初ノッチバックの2ドアハードトップのみでしたが、後にファーストバックの3ドアハッチバックが追加されました。共に先代同様後席を備える5人乗り仕様で、室内幅やヘッドクリアランスの拡大により、居住性が改善されていました。

日産 シルビア ハッチバック '79-'83

日産 シルビア ハッチバック ’79-’83

スタイリングは、曲線を多用しアクが強かった先代からは一転し、当時の流行に則った直線を基調としたスッキリしたデザインに変わりました。又、ダッシュボードもエクステリアに合わせ直線基調のデザインとなりました。プラットフォームは4代目「サニー」や2代目「バイオレット」と共通のもので、ホイールベースはバイオッレットと同一の2,400mmでした。

サスペンション形式もサニーやバイオレット同様、フロントがマクファーソンストラット式、リアが4リンクリジッド/コイル式で、先代がリアに前時代的なリーフスプリングを使用していたのに比べると進化していました。又、ブレーキは後輪もディスク化され4輪ディスク式となりました。車両重量はボディ拡大に伴い先代からやや増加し、1,005kg~1,105kgとなりました。

エンジンを刷新し、装備を充実

エンジンは、先代に搭載されていたL型の改良版である直4SOHCのZ型で、1.8Lシングルキャブレター仕様のZ18型(最高出力105ps/最大トルク15kgm)、同燃料噴射仕様のZ18E型(最高出力115ps/最大トルク15.5kgm)、2L燃料噴射仕様のZ20E型(最高出力120ps/最大トルク17kgm)の3種類が用意されました。トランスミッションは4速及び5速MTと3速トルコン式ATで、駆動方式は先代同様FRでした。

日産 シルビア ハッチバック '79-'83

日産 シルビア ハッチバック ’79-’83

機構面では、ステアリングフィールを改善する為1.8L車にバリアブルステアリングを、2L車にはエンジン回転数感応式パワーステアリングを採用した事が特徴でした。又、快適装備は大変充実しており、国産車初のドライブコンピューターをはじめ、専用設計のカーオーディオシステム、夜間走行に配慮したトータルイルミネーションシステムなどを搭載していました。

日産 シルビア ハードトップ '79-'83

日産 シルビア ハードトップ ’79-’83

日産 シルビアのCM(1981年)

ドラマ「西部警察」”ガゼール オープン”石原裕次郎さんの運転シーン

高性能モデルを追加

1981年にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトを行うと同時に、新たにZ18E型にターボを装着したZ18E-T型エンジン(最高出力135ps/最大トルク20kgm)搭載グレードと、6代目スカイライン用に開発された2L直4DOHC燃料噴射仕様のFJ20E型エンジン(最高出力150ps/最大トルク18.5kgm)搭載グレードが追加されました。

日産 シルビア RS '82-'83

日産 シルビア RS ’82-’83

翌1982年には、ラリー競技用のホモロゲーションモデルとして、シルビアをベースに制作された「240RS」が200台限定で発売されました。前後にオーバーフェンダーを装備した上軽量化を図ったボディ(車両重量970kg)に、2.4L直4DOHCのFJ24型エンジン(最高出力240ps/最大トルク24kgm)を搭載し、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が製造されました。

日産 240RS (ラリー仕様)

日産 240RS (ラリー仕様)

3代目シルビアは、メカニズム上の際立った特徴はなかったものの、スタイリングや装備面など、時流を捉えた設計が持ち味でした。日本がどんどん豊かになっていき、車を購入する若者が増加した時代。「デートカー」というカテゴリーの元祖的な存在となり、若者から支持を集めベストセラーカーとなりました。

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