富士重工業は1983年9月、軽ワンボックス車の「スバル・サンバートライ」をベースとしたリッターカークラスのワンボックス車「スバル・ドミンゴ」を発売しました。このクラスとしては唯一の7人乗り仕様で、コンパクトな車体や必要十分なパワー、価格の安さなどと相まって一部のユーザーに重用され、10年以上にわたり生産が続けられるロングセラーモデルとなりました。
大型バンパーなどにより差別化
ボディタイプは左右に後席用スライドドアが備わる5ドアのみの設定で、エクステリア面では大型の前後バンパーや角型4灯式ヘッドランプの採用などによりサンバートライとの差別化が図られていました。ボディサイズは全長3,425mm×全幅1,430mm×全高1,870~1,900mmで、サンバートライから全長が230mm、全幅が35mm拡大されていました。
一方、1,805mmのホイールベースは共通で、フロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式のサスペンション形式も踏襲されました。駆動方式は当初RRとパートタイム4WDが設定され、エンジンはコンパクトカー「スバル・ジャスティ」と共通の1L直3SOHC6バルブNAシングルキャブレター仕様のEF10型(最高出力48ps/最大トルク8.2kgm)が搭載されました。
組み合わせられるトランスミッションは5速MTのみの設定で、これは最後まで変わりませんでした。また、ブレーキはフロントにベンチレーテッド・ディスク式が、リアにドラム式が採用されました。ステアリング形式はラック&ピニオン式で、パワーステアリング装着車の設定はありませんでした。
スバル ドミンゴのCM
新車情報’86 スバル ドミンゴ4WD
フルタイム4WD車を追加
その後、1986年6月にフルタイム4WD車が追加されるとともに、4WD車に1.2L直3SOHC9バルブNAシングルキャブレター仕様のEF12型エンジン(最高出力52ps/最大トルク9.7kgm)が採用されました。同時に、サンルーフに両サイドの明かり窓を組み合わせた「サンルーフ・サンサンウインドウ」仕様車が追加されました。その後パートタイム4WDは廃止され、4WDはフルタイム方式に一本化されました。
そして1989年10月に、1Lエンジン+RR方式および1.2Lエンジン+フルタイム4WD方式の特別仕様車「ウェルフィー」が設定されました。さらに1991年5月には、1.2Lエンジン+フルタイム4WD方式を採用し、デュアルエアコンを標準装備した特別仕様車「GX-Xサンルーフ・サンサンウインドウ」が設定されました。
追って同年9月にラインナップの一部見直しが行われ、1992年3月には再びGX-Xサンルーフ・サンサンウインドウが設定されました。そして1994年9月にフルモデルチェンジが実施され、2代目ドミンゴ(FA7/8型)にバトンタッチされました。