初代モデルが1983年にリリースされた富士重工業の3列シート7人乗り仕様の小型ワンボックス車「スバル・ドミンゴ」は、1994年9月に11年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目FA7/8型に移行しました。先代にはなかった2ペダルのECVT仕様車が設定されたほか、パワーステアリングの採用やパワーウィンドウ&集中ドアロック装着車の設定など、装備の充実化が図られました。
エンジンは1.2Lに一本化
ベースとなったのは軽ワンボックス車の「スバル・サンバーディアス」で、ボディタイプは先代同様左右に後席用スライドドアが備わる5ドアでした。エクステリアは、前後の大型バンパーなどによりサンバーディアスとの差別化が図られていました。ボディサイズは全長3,525mm×全幅1,415mm×全高1,925mmで、サンバーディアスよりも一回り大きいディメンションでした。
先代との比較では全長と全高が拡大された一方、全幅は若干縮小されました。ホイールベースは1,885mmで、先代から80mm延長されました。サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式による4輪独立懸架が踏襲され、駆動方式も先代同様にRRとフルタイム4WDが設定されました。
エンジンは先代に設定のあった1L直3のEF10型が廃止され、1.2L直3SOHCのEF12型に一本化されました。混合気の供給方式はシングルキャブレターから電子燃料噴射システムに変更され、アウトプットは最高出力が9psアップの61psに、最大トルクが0.1kgmアップの9.8kgmに向上しました。組み合わせられるトランスミッションは、前述のECVTのほか従来に引き続き5速MTも用意されました。
スバル ドミンゴのCM(1995)
キャンパー仕様車を追加
また、ブレーキはフロント:ベンチレーテッド・ディスク式/リア:ドラム式が踏襲されました。さらにステアリング形式もラック&ピニオン式が踏襲されるとともに、パワーステアリングが全車に標準装備されました。当初のグレード体系は、下からRR方式の「CV-B」「CV」とフルタイム4WD方式の「GV」「GVサンサンルーフ」のラインナップでした。
こららのうち、GVサンサンルーフにはサンルーフと両サイドの明かり窓が備わっていました。そして翌1995年3月に、GVをベースとした特別仕様車「GV-R」が設定されました。次いで1996年9月に受注生産方式による新グレードとして、リフトアップルーフが備わる「アラジンリフトアップルーフ」と、リフトアップルーフやシャワー付ギャレーなどが備わるキャンパー仕様車「アラジンキャンパー」が追加されました。
そして1998年10月、軽自動車のボディサイズ拡大により存在意義が薄まったため、生産終了となりました。
初代ドミンゴ