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ジャガー XJR-15 (1990-1992):公道走行が可能なグループCカーとして誕生

ジャガー・カーズは1990年11月、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)の手により開発されたスーパーカー「XJR-15」を発表しました。1988年のル・マンで優勝を飾ったコンペティションモデル「XJR-9」をベースに、公道走行が可能なグループCカーとして開発されたモデルで、オリジナル設計の公道専用モデルであった同時代の「XJ220」とは対照的な成り立ちを持っていました。

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軽量かつ空力特性に優れたボディ

ボディタイプは2シーター・フィクスドヘッドクーペで、フレームにカーボンファイバー、ボディシェルにカーボンファイバーとケブラーの複合素材を用いた軽量設計が施されていました。又、流麗なフォルムを持つボディは空力特性向上にも注力され、Cd値はXJ220より0.06ポイント低い0.3を実現していました。

ボディサイズは全長4,800mm×全幅1,900mm×全高1,100mmで、XJ220より一回り小振りに纏められた一方、ホイールベースはそれよりも140mm長い2,780mmに設定されていました。又、車両重量はXJ220よりも300kg以上軽い1,050kgに抑えられていました。駆動方式はXJ220同様のMRで、前後重量配分は48:52という同方式として理想的な数値を実現していました。

コンペティションモデル譲りのエンジンを搭載

搭載されるエンジンは、XJR-9・GTP仕様向けに開発された6L V12SOHC24V NAのデチューン版で、11:1の高圧縮比とサイテック・シーケンシャル燃料噴射装置により、最高出力456ps/6,250rpm・最大トルク58kgm/4,500rpmのアウトプットを発生しました。このスペックは、XJ220に搭載される3.5L V6ツインターボエンジンが発生する最高出力550ps/最大トルク65.7kgmよりは劣っていました。

しかし、車両重量が軽い為パワーウエイトレシオ、トルク・トゥ・ウエイトレシオ共により低く抑えられていました。トランスミッションはXJ220の5速MTに対し、こちらは6速MTが組み合わせられました。最高速度298km/hで、その面では347km/hに達するXJ220と比較して劣っていました。

サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン/コイル式で、ステアリング形式はXJ220と同様パワーアシスト付のラック&ピニオン式が採用されました。ブレーキもXJ220と同様に4輪ベンチレーテッド・ディスク式を採用するものの、ABSは省かれていました。又、タイヤ&ホイールはフロントに9.5J×17+245/40ZR17、リアに13J×18+335/35ZR18が装着されました。

一方インテリアは、グランツーリスモ並みのラグジュアリーな仕様であったXJ220とは対称的に、カーボン素材を用いたスパルタンな仕上げとなっていました。その後、更なる高性能バージョンとして、XJR-9ル・マン仕様車に搭載される7L V12ユニットの排気量を7.4Lに拡大して搭載する「XJR-15LM」がリリースされました(※最高出力は710ps)。

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