ホンダの3ドアハッチバック車「アコード エアロデッキ」は、1985年6月にフルモデルチェンジを実施し3代目となったミドルクラスセダン「アコード」の派生モデルとして同年7月に発売されました。従来、ハッチバックはアコードの一バリエーションであったものの、この代に限りユニークなボディ形状により、国内では独立した車種として扱われました。
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空力特性の優れたシューティングブレーク
スタイリングは、3ドアハッチバックでありながら6ライト(サイドウィンドウが3枚)であり、ルーフが長くワゴン的な雰囲気を感じさせる独特なものでした。ヨーロッパでは、この種のボディは「シューティングブレーク」と呼ばれ一定の需要があったものの、国産車では前例が殆どないものでした。又、リアウィンドウがルーフ部分にまで回り込んでおり、テールゲートがその部分も含めガルウィングのように開閉する機構でした。
そして、セダンと同様のリトラクタブルヘッドランプ採用による低いノーズなどにより空力特性は良好で、ハッチバック車としては優秀なCd値0.34を実現していました(セダンは0.32)。ボディサイズは、全長4,365mm×全幅1,695mm×全高1,335mmで、セダンよりも全長が170mm短く、全高も20mm下げられていました。2,600mmのロングホイールベースはセダンと同一で、車両重量はセダンよりも軽い1,020kg~1,090kgでした。
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アコード エアロデッキのCM(1985)
Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ ACCORD AERO DECK(1985年)
パワートレインはセダンと共通
エンジンはセダンと共通で、1.8L直4SOHCのA18A型(最高出力110ps/最大トルク15.2kgm)、同DOHCのB18A型(最高出力130ps/最大トルク16.5kgm)、2L直4DOHCのB20A型(最高出力160ps/最大トルク19kgm)の3種類が用意され、トランスミッションはそれぞれに5速MTと4速トルコン式ATが用意されました。駆動方式はセダン同様FFで、セダンと共にFF車として世界初となる4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用されました。
翌1986年5月に、ATのロックアップ機構を改良しました。次いで1987年6月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトを行うと同時に、2L車に可変式デュアルインテークマニホールドを採用し吸気効率を改善しました。又、電動格納式ドアミラーやキーレスエントリーの採用など、装備の充実が図られました。翌1988年9月には、AT車にシフトロック機構を採用しました。
アコードエアロデッキは、国内においてはシューティングブレークというカテゴリーやスタイリングがユニークであった為、国内市場では受け入れられず、ヒットとはなりませんでした。しかし、クーペのような流麗なスタイリングにワゴンのような積載性を持つ独自の存在に、販売終了後も根強い愛好家が多いクルマとなっています。
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