日産 フェアレディZ (初代 S30/S31 1969-1978):廉価な割に高性能。頑丈なL型エンジン。伝説のZ-car

日産 フェアレディZ 432 1969 (出典:nissan-heritage-collection.com)

日産 フェアレディZ 432 1969 (出典:nissan-heritage-collection.com)

日産のスポーツカー「フェアレディZ」は、1969年10月、「フェアレディ」に替わるニューモデルとして発売が開始されました(両モデルを数か月間併売)。ボディがオープンからクローズドタイプに変わった他、構造が旧式なラダーフレームとリジッド式リアサスペンションから、近代的なモノコックボディと4輪独立懸架サスペンションに変わった事が大きな相違点でした。

企画は北米日産主導の元で進められ、フェアレディ以上にアメリカ市場のニーズに合致し、かつイメージリーダー的存在になり得る事を前提に設計開発が行われました。その結果、ボディ形状はソフトトップ・コンバーチブルであったフェアレディから一転し、固定ルーフを持つクーペへと大きく変化しました。

先進的なボディや足回りを採用

プロポーションはロングノーズ・ショートデッキで、当時の国産車としては先進的なスタイリングを備えていました。ボディサイズは全長4,115mm×全幅1,630mm×全高1,290mmで、全高を除きフェアレディより一回り拡大され、「ポルシェ・911」と同程度の大きさとなりました。ホイールベースもフェアレディよりも若干延長され、2,305mmとなりました。又、発売当初は2人乗り仕様のみの設定でした。

日産 フェアレディZ 1969-78 (出典:commons.wikimedia.org)

日産 フェアレディZ 1969-78 (出典:commons.wikimedia.org)

車両重量は975kg~1,040kgで、軽量なモノコックボディの採用により、フェアレディからの重量増加は最小限に抑えられていました。サスペンションは、4輪ストラット式による4輪独立懸架で、リアがリーフ・リジッド式だったフェアレディよりも遥かに近代的なものでした。駆動方式はFRが踏襲され、ブレーキは前:ディスク式/後:ドラム式でした。

日産 フェアレディZ 1969-78 (出典:bringatrailer.com)

日産 フェアレディZ 1969-78 (出典:bringatrailer.com)

インテリア面では、インパネがフェアレディよりも遥かにモダンで彫りの深いデザインに変わると共に、ステアリング正面の大型スピードメーターとタコメーターの他、コンソールボックス上部に小型の3連メーターが並ぶレイアウトが採用されました。このレイアウトは、フェアレディZのアイデンティティーとして後継モデルにも継承される事になります。

エンジンを一新し、高性能版も用意

エンジンはフェアレディから一新され、「Z」「Z-L」には「セドリック」や「スカイライン・2000GT」に搭載されていた2L直6 SOHCのL20型をSUツインキャブレター仕様としたものが、「Z432」には先行して「スカイライン・2000GT-R」に搭載された、レース用エンジン直系の2L直6 DOHCソレックス3連キャブレター仕様のS20型が搭載されました。

共にハイオクガソリン仕様で、スペックはL20型が最高出力130ps/6,000rpm、最大トルク17kgm/4,400rpm、S20型が最高出力160ps/7,000rpm、最大トルク18kgm/5,600rpmでした。最高出力の数値は、前者が2.2Lの排気量を持つ「ポルシェ911T」に、後者が同「911E」に匹敵するものでした。トランスミッションは、「Z」には4速MTが、「Z-L」「Z432」には5速MTが組み合わせられました。

日産 フェアレディZ 1969-78

日産 フェアレディZ 1969-78

カタログ上の最高速度は、「Z」「Z-L」が195km/h、「Z432」が210km/hでした。又、「Z432」をベースに、FRP製ボンネットやアクリル製ウィンドウの採用、快適装備の廃止などにより徹底的な軽量化を図ったサーキット走行用モデル「Z432-R」も設定されました。そして翌1970年10月、「Z-L」に3速トルコン式AT仕様が追加されました。

又、L20型・S20型共にレギュラーガソンリン仕様が追加されました。最高出力と最大トルクは、前者が125ps/16.5kmg、後者が155ps/17.6kgmとなり、ピーク値発生回転数に変更はありませんでした。次いで1971年10月、ベースグレード「Z」にもAT仕様が追加されると同時に、輸出向けであった2.4L直6 SOHCのL24型エンジンを搭載したモデルが追加されました。

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スペックは最高出力150ps/5,600rpm、最大トルク21kgm/4,800rpmで、トランスミッションは5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。グレードは「240Z」「240Z-L」「240Z-G」の3種類で、「240Z-G」にはエアロダイナノーズやオーバーフェンダーが装備され、それに伴い全長が190mm、全幅が60mm拡大されました。最高速度は「240Z-G」が210km/h、それ以外が205km/hでした。車両重量は、985kg~1,035kgとなりました。

4人乗り仕様を追加、排出ガス規制に対応する為性能はダウン

1973年9月に初のマイナーチェンジを実施し、内外装が一部変更されると共に、L20型エンジンが昭和48年排出ガス規制に対応した上レギュラーガソリン仕様のみとなり、S20型とL24型はカタログ落ちしました。次いで翌1974年1月に、ボディを310mm、ホイールベースを300mm延長し、ミニマムなスペースの後席を追加した4人乗り仕様の「2by2」が追加されました。

日産 フェアレディZ-T 1977 (出典:nissan-heritage-collection.com)

日産 フェアレディZ-T 1977 (出典:nissan-heritage-collection.com)

翌1975年8月には、昭和50年排出ガス規制に適合させる為、ボッシュ製Lジェトロニック燃料噴射装置+触媒による「NAPS」仕様に変更され、スペックが最高出力130ps/6,000rpm、最大トルク17.5kgm/4,400rpmへと若干向上しました。次いで翌1976年7月に、昭和51年排出ガス規制の実施に伴い更なる排気ガスのクリーン化対策が行われた他、アルミホイールやパワーウィンドウなどを備える最上級グレード「Z-T」が追加されました。

初代フェアレディZは、本格スポーツカーとしては比較的廉価な価格設定ながら、遥かに高価なポルシェ911に迫る性能を持っていました。又、そうした海外製のライバル達よりも扱いやすくメンテナンスが容易なエンジンを搭載していた事から、国内のみならず北米で大変な人気を博し、累計販売台数55万台というこの種のモデルとしては異例の大ヒットとなりました。

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