日産のオープン・スポーツカー「ダットサン・フェアレディ」は、1961年10月に2代目モデルが発表され、翌1962年10月に国内販売が開始されました。モデルチェンジと同時に排気量アップした事に伴い、車名が「フェアレディ1200」から「フェアレディ1500」に変更されました。シャシーを基本的に先代から踏襲しつつ、エンジンのパワーアップなどにより本格的なスポーツカーへと脱皮した事が特徴でした。
新車購入ガイド:【2024最新】フェアレディZの値引き 納期 乗り出し価格
シャープなスタイリングに変身
スタイリングは、曲線的だった先代から一転し、直線的でシャープなイメージに変貌しました。又、先代が4人乗りであったのに対し、2+1の3人乗り(後席の乗員が横向きに座る変則的な仕様)に変更された事に伴い、テールの長いプロポーションへと変化しました。ボディサイズは、全長3,910mm×全幅1,495mm×全高1,275mmで、先代よりも全長が短縮され全高も下げられた一方、全幅は僅かに拡大されました。
車両重量は、先代より20kg軽量化され870kgとなりました。シャシーは、基本的に先代と同一のラダーフレームながら、X型の補強メンバーの追加により剛性アップが図られると共に、ホイールベースが60mm延長され2,280mmとなりました。サスペンションは、リアは先代同様のリジッド/リーフ式ながら、フロントがリジッド/リーフ式からウィッシュボーン/コイル式による独立懸架に変更されました。ブレーキは、4輪ドラム式が踏襲されました。
1.5L直4OHVに変更し性能アップ
エンジンは、セドリックに搭載されていた1.5L直4OHVのG型を専用チューニングしたもので、最高出力71ps/5,000rpm、最大トルク11.5kgm/3,200rpmの性能でした。これは、先代に搭載された1.2LのE1型よりも2割程高いスペックでした。トランスミッションは先代同様1速がノンシンクロの4速MTで、ファイナルレシオがセドリックよりも高められていました。最高速度は、先代よりも20km/h以上速い150km/hでした。
インテリアは、4連大型メーターが並ぶダッシュボードと3スポークステアリング、本格的なバケットシートなどを備え、スポーツカーに相応しい雰囲気が演出されていました。装備面では、ラジオ、ヒーター、シガーライター、時計などが備わる当時としては豪華なものでした。又、ソフトトップは、当初は幌骨を組み立ててからトップを被せる方式でした。
1963年6月に、それまでのシングルキャブに替えてSUツインキャブを採用すると共にデュアルエキゾースト化し、スペックが最高出力80ps/5,600rpm、最大トルク12kgm/4,000rpmに向上、それに伴い最高速度も155km/hに向上しました。同時に、圧縮比のアップや1速~3速のハイギアード化などの変更が行われ、スロットルレスポンスや加速時の伸びが改善されました。
1964年8月にマイナーチェンジを実施し、フロントグリルのデザインが変更された他、後席が廃止され2シーター仕様になると共に、幌が利便性の高い折り畳み式に変更されました。インテリア面では、ダッシュボードのデザインが変更されメーターが5連式となった他、コンソールボックスの追加などの仕様変更が行われました。ボディのスペックは、車高が30mm高くなり1,305mmとなりました。
フェアレディ1600:SP311 / SPL311 1965~
翌1965年5月に、後継モデルとして「フェアレディ1600」が発売されました。エンジンは、先行して「シルビア」に搭載された1.6L直4OHVのR型で、最高出力90ps/6,000rpm、最大トルク13.5kgm/4,000rpmのスペックを持ち、最高速度は165km/hに向上しました。同時に、フロントブレーキがディスク化された他、トランスミッションがフルシンクロ化されました。車両重量はやや増加し、910kgとなりました。
フェアレディ2000:SR311 / SRL311 1967~
次いで1967年3月に、新設計の2L直4SOHCエンジンを搭載する「フェアレディ2000」が追加されました。最高出力145ps/6,000rpm、最大トルク18kgm/4,000rpmという当時の国産車としてはトップレベルのスペックを持ち、5速化されたフルシンクロMTとの組み合わせにより、最高速度205km/h、0-400m加速15.4sという第一級の性能を発揮しました。
先代モデル:ダットサン フェアレディ1200
後継モデル:初代フェアレディZ
歴代フェアレディZ