1957年にイギリスで創立されたバックヤードビルダー、ジネッタ・カーズは、第一弾モデルとしてレーシングカーの「G1」を制作、追って「G2」「G3」と改良型のリリースが続いたのち、1961年に初のロードカーとなる「G4」を世に送り出しました。レース用のホモロゲーションモデルとして開発された2ドア・2シーター仕様のスポーツカーで、同社最大のヒット作となりました。
キットカー形式で販売
車体の構造は鋼管チューブラーフレームとFRP製ボディの組み合わせで、半完成のキットカーの状態でオーナーに納車されました。ボディタイプは当初、ソフトトップ備わるコンバーチブルが用意されたほか、フルオープンタイプのコンペティション仕様も製造されました。エクステリアは曲線で構成されるとともに、躍動的なコークボトルラインのフォルムを持っていました。
また、初期型は控えめなテールフィンが備わる点が特徴でした。ボディサイズは全長3,353mm×全幅1,422mm×全高1,067mmで、現代の軽スポーツカー「ダイハツ・コペン」や「ホンダ・S660」よりもコンパクトにまとめられていました。また、ホイールベースも短く2,045mmに過ぎず、車両重量は僅か445kgと極めて軽量に抑えられていました。
非力なエンジンながら十分な性能を発揮
サスペンション形式は、フロントにダブルウィッシュボーン/コイル式、リアにトレーリングアーム/コイル・リジッド式が採用されました。駆動方式はそれまでの同社製モデル同様のFRが踏襲され、エンジンは当初、イギリス・フォードの大衆車「アングリア」からコンバートした1L直4OHVが標準でした。
8.9:1の圧縮比と1基のソレックス・キャブレターから絞り出すアウトプットは、最高出力40hp/最大トルク7.1kgmという控えめなものでした。しかし、前述のように車体が軽かったため、4速MTを介して最高速度169km/h、0-400m加速18.9sというライトウエイト・スポーツカーとして十分なパフォーマンスを発揮しました。
また、オプションで同じくフォード製の1.3L直4OHVエンジン(最高出力90hp)も用意され、これを選んだ場合の最高速度は193km/hに達しました。ステアリング形式はロック・トゥ・ロック2.7回転のラック&ピニオン式で、ブレーキは当初は4輪ドラム式でした。また、タイヤは5.20×13のクロスプライタイヤが装着されました。
その後1963年に仕様変更を受け、シリーズ2に移行しました。フレームの変更やサスペンションの改良、フロント・ブレーキのディスク化などが行われると同時に、エクステリア面でもテールフィンが廃止されるなどの意匠変更が施されました。また、ハードトップが備わるドロップヘッド・クーペが設定されたのも、この年のことでした。
続いて1968年に1.5L直4OHVエンジン(最高出力91ps/最大トルク13.2kgm)が追加されたのち、翌1969年に一旦生産中止となりました。その後1992年に復活を遂げ、現在は改良型の「G40R」が販売されています。