イギリスのスポーツカー専門メーカーであったTVRは、1963年に同社の市販車第二弾となる新型2シーター・スポーカー「グリフィス200」を発売しました。同社初の市販車である「グランチュラ」の進化版であるグランチュラ・マークⅢをベースとしながら、小型軽量なボディに分不相応なほどの大排気量エンジンが組み合わせられるなど、後のTVR車の方向性を決定付けたモデルとなりました。
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フォード製V8エンジンを搭載
ボディの構造は、グランチュラ同様のチューブラフレームとFRPボディの組み合わせで、ボディタイプも同様にノッチバックの2ドア・フィクスドヘッド・クーペでした。ボディサイズは全長3,556mm×全幅1,626mm×全高1,257mmで、グランチュラから全長が若干延長されていました。一方、2,172mmのホイールベースに変更はありませんでした。
車両重量は864kgで、絶対的には軽量であったものの、グランチュラからは150kgほど増加していました。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲し、駆動方式もコンベンショナルなFRが踏襲されました。エンジンは、グランチュラ・マークⅢのBMC製1.6L直4OHV(最高出力92ps)に代わり、3倍ほども排気量の大きいフォード製4.7L V8OHVシングルキャブレター仕様が搭載されました。
最高出力198ps/4,400rpm・最大トルク39kgm/2,400rpmの標準仕様のほか、オプションで最高出力275ps/6,000rpm・最大トルク43.4kgm/3,400rpmの高圧縮比仕様が用意されました。トランスミッションはともに4速MTが組み合わせられ、前者は最高速度225km/h・0-60mph加速6.2s、後者は最高速度262km/h・0-60mph加速5.2sのパフォーマンスを発揮しました。
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マイナーチェンジで「400」に移行
後者のパフォーマンスは3L V12エンジンを搭載する「フェラーリ・250GTO」をもしのぎ、当時の市販車としてトップレベルのものでした。ステアリング形式はラック&ピニオン式で、ブレーキはフロントにディスク式、リアにドラム式が採用されました。その後1965年に、ベースモデルのグランチュラがマイナーチェンジを受けマークⅣとなると、グリフィスも改良型の「400」に移行しました。
200からの変更点は、ラジエターやリアサスペンションが再設計されたほか、テールランプの意匠が変更されました。また、ドライブトレインはオプションだった高圧縮比仕様エンジンが標準となったほか、ファイナル・ギアレシオが高められました。しかし、200で問題となったトリッキーなハンドリング特性が改善されたなかった400は、同年中に生産終了となりました。
後継モデルはリリースされず、同社のラインナップは一時的にグランチュラのみとなりました。2代目グリフィスがリリースされたのは、それから27年が経過した1992年のことでした。
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