1982年にトヨタオート店から初代モデルが発売されたステーションワゴン「スプリンターカリブ」は、1988年2月に6年ぶりにフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行しました。初代モデルからクロスオーバーテイストを受け継ぎながら、ベースモデルがターセル/コルサから6代目「スプリンター」(E90型)に変更された他、全車に採用される4WDの方式がパートタイム式からフルタイム式に変更されました。
上級グレードに油圧式ハイトコントロールを採用
5ドアハッチバックのボディは、先代から直線基調のボクシーなイメージが踏襲された他、ベルトラインから段差を付けて設けられるリアクォーターウィンドウや縦長のリアコンビネーションランプなど、ディテール面でもテイストが受け継がれました。初期型のボディサイズは全長4,250~4,370mm×全幅1,655mm×全高1,450mmで、先代から全長・全幅が拡大された一方で全高は低く設定されました。
ホイールベースは同一の2,430mmで、車両重量は100kg以上増加し初期型で1,110~1,200kgとなりました。サスペションは、先代同様のフロント:ストラット式/リア:トレーリングリンク車軸式の形式を踏襲する一方、上級グレードに「ワンタッチハイトコントロール」と呼ばれる、油圧により車高を30mmアップさせるシステムが採用された事が機構面での特徴でした。
先代からパワートレインを一新
パワートレインは先代から一新され、1.6L直4DOHCの4A-FE型エンジン(最高出力100ps/最大トルク14kgm)と5速MT(エクストラローは無し)又は4速トルコン式ATの組み合わせとなりました。一方、室内はインパネやシートのデザイン/色調が一新され、RVテイストの先代に対し乗車的な雰囲気に変わりました。初期型のメーターパネルは4眼式でした。
グレード体系は、先代同様の「AV-Ⅰ」「RVスペシャル」「AV-Ⅱ」に最上級グレード「AV-Ⅱツーリングスペシャル」を加えた4タイプがラインナップされました。そして1989年8月の一部改良で、フロントのディスクブレーキがベンチレーテッド型にアップグレードされると共に、AV-Ⅱスペシャルにルーフレールが装着されました。
次いで1990年8月のマイナーチェンジでフェイスリフトが実施され、全長が全グレード共通で4,380mmとなった他、インテリア面ではメーターパネルのデザイン変更(6眼式メーターを採用)やシート表皮の変更が実施されました。同時に、エンジンが同一排気量の改良版4A-FHE型(最高出力110ps/最大トルク14.5kgm)に置換されました。
続いて1991年9月の一部改良で、全車に後席3点式シートベルトやサイドドアビームなどが採用されました。次いで1993年8月に実施された一部改良では、全車に運転席SRSエアバッグシステムが標準装備されると共に、タイヤ&ブレーキサイズの拡大やエアコンに新冷媒を採用するなどの仕様変更が行われました。そして1995年8月にフルモデルチェンジが実施され、3代目AE110G型に移行しました。