スイスの時計メーカーであるスウォッチとダイムラー・ベンツ(現:ダイムラー)により設立された合弁会社「MCC」は、2001年に同社の第一弾モデル「スマートクーペ/カブリオ」から派生した「スマートクロスブレード」を全世界2000台限定発売しました。スマートカブリオをベースに、ルーフやウィンドウ、ドアを省いたレジャー志向の強いモデルでした。
独自の安全対策を実施
「トリディオンセーフティセル」と呼ばれる高剛性フレームを踏襲する2ドア・2シーター仕様のボディは、フロントウィンドウの代わりに高さを抑えたウィンドウリフレクターが、ドアの代わりに乗員を保護するためのサイドセーフティバーが備わっていました。また、転倒時の安全対策として固定式のロールバーも備わっていました。
そのほか、フロントマスクの意匠などはクーペ/カブリオと共通のファニーなイメージが踏襲されました。ボディサイズは全長2,622mm×全幅1,618mm×全高1,508mmで、クーペ/カブリオから全長と全幅が拡大された一方、全高は低められていました。ホイールベースは同一の1,812mmで、フロント:ダンパーストラット式/リア:ド・ディオン式のサスペンション形式も共通でした。
チューンナップ版エンジンを搭載
同じくリアに搭載されるエンジンは、0.6L直3SOHCガソリンターボが採用されました。アウトプットはクーペ/カブリオレに搭載される標準仕様(最高出力45psまたは55ps)から大幅に強化され、最高出力70ps/5,470rpm・最大トルク10.1kgm/3,210rpmとなっていました。トランスミッションはクーペ/カブリオ同様、シングルクラッチ式AMT(2ペダルMT)の「ソフタッチ」が組み合わせられました。
ブレーキはフロント:ディスク式/リア:ドラム式が踏襲され、ステアリング形式も同様にパワーアシストなしのラック&ピニオン式でした。一方、タイヤは大幅にワイド&扁平化が図られ、フロントに195/40R16、リアに215/35R16が装着されました。また、ホイールも3本スポークタイプの専用アルミホイールが採用されました。
室内は防水対策を実施
安全装備面でもぬかりはなく、クーペ/カブリオ同様にSRSデュアルエアバッグシステムやシートベルトプリテンショナー&フォースリミッター、ABS、トラクションコントロールが標準装備されました。一方室内は、ルーフが備わらないゆえの防水対策として、撥水素材のシートや樹脂製一体型フロアパネルなどが採用されました。
また、ステアリングホイールはレザー製で、快適装備としてマニュアルエアコンやAM/FMラジオ付カセットステレオが装備されました。日本市場においては、2002年5月、2003年1月、2004年4月の3度にわたり受注が行われました。