1959年に「ダットサン1000乗用車」の後継車種として発売された日産自動車の小型車「ブルーバード」は、1979年11月に3年ぶり5度目のフルモデルチェンジを受け、6代目910型に移行しました。先代から一新されたプレーンなスタイリングや、優れたトータルバランス、当時の流行に乗ったターボ車の追加設定などにより、510型以来のベストセラーとなりました。
国内仕様車のエンジンは全車直4に
発売当初のボディタイプは、4ドアセダンと2ドアハードトップの2タイプで、スタイリングは先代の曲線基調のグラマラスなフォルムから、510型を彷彿とさせる直線基調のフォルムに変貌しました。ボディサイズは全長4,350~4,510mm×全幅1,655mm×全高1,360~1,385mmで、先代から全長・全幅が拡大されました。又、ホイールベースは25mm延長され2,525mmとなりました。
サスペンション形式は先代同様にフロントは全車にストラット式が、リアはスポーティグレード「SSS」系にはセミトレーリングアーム式独立懸架が、それ以外には4リンク・リジッド式が採用されました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは国内向けは直6SOHCが廃止され全車直4SOHCとなりました。
当初用意されたのは、ガソリン・キャブレターNA仕様1.6LのZ16型(最高出力95ps/最大トルク13.5kgm)、同1.8LのZ18型(最高出力105ps/最大トルク15kgm)、同2LのZ20型(最高出力110ps/最大トルク16.5kgm)、EGI NA仕様1.8LのZ18E型(最高出力115ps/最大トルク15.5kgm)、同2LのZ20E型(最高出力120ps/最大トルク17kgm)の全5種類でした。
トランスミッションは当初、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。又、ブレーキはタクシー仕様車を除き全車フロントにベンチレーテッド・ディスク式が、リアにはグレードによりディスク式又はドラム式が採用されました。当初のグレード体系は、セダンは下から1600CT/1600DX/1600GL/1600GF/1800GL/1800FancyGL/1800GF/1800SSS/1800SSS-E/2000SSS-EX/2000SSS-EX Gtypeがラインナップされました。
ワゴン/バン及び4ドアハードトップを追加
一方ハードトップは、1600GL/1800GF/1800SSS/1800SSS-E/2000SSS-EX/2000SSSEX Gtypeのラインナップでした。そして翌12月に、5ドアボディ採用のステーションワゴン「ADワゴン」とバンが追加されました。次いで翌1980年3月、1.8LガソリンターボのZ18ET型エンジン(最高出力135ps/最大トルク20kgm)を搭載するターボSSS/ターボSSS-S/ターボSSS-X/ターボSSS-XGが追加されました。
同時に、歴代モデル初のディーゼル車として2L NA仕様のLD20型エンジン(最高出力65ps/最大トルク12.5kgm)を搭載する2000GL/2000GFが追加になりました。更に1981年1月には、Z20型エンジン搭載の2000GL/2000GF/2000SSS-Lが追加されました。次いで1982年1月のマイナーチェンジで内外装が変更されると共に、ピラーレス4ドアハードトップが追加されました。
同時に、2ドアハードトップはターボSSS/ターボSSS-Sの2タイプに整理されました。続いて同年8月の一部改良で、1.6L車のエンジンがCA16型(最高出力90ps/最大トルク13.5kgm)に、1.8L車のエンジンがCA18型(最高出力100ps/最大トルク15.2kgm)及びCA18E型(最高出力110ps/最大トルク16.5kgm)にそれぞれ置換された他、ターボ車のATが4速化されました。
そして1983年10月にタクシー仕様車を除きフルモデルチェンジを受け、7代目U11型に移行しました。タクシー仕様車は、1993年7月に後継車種「クルー」が発売されるまで継続販売されました。
先代モデル:5代目ブルーバード
後継モデル:7代目ブルーバード