ダイムラー100%出資の子会社「smart」は、2014年に主力モデル「フォーツークーペ」に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、現行C453型に移行させました。歴代モデルとして初めてフランスのルノーとの共同開発が行われ、基本設計やパワートレインなどが一新されました。また、追って2015年に電動ソフトトップを持つ「フォーツーカブリオ」もモデルチェンジを受け、現行A453型となりました。
全幅を拡大
「トリディオンセーフティセル」と呼ばれる高剛性フレームを踏襲するボディは、従来同様リアシートを持たない2シーター仕様でした。スタイリングは、それまでのワンモーションフォルムからフロントフードにノッチの付いた2ボックス型に変貌しました。ボディサイズは全長2,695mm×全幅1,663mm×全高1,552mm(カブリオ)/1,555mm(クーペ)で、先代から全幅が100mmほどワイド化されました。
ホイールベースは、先代とほぼ同等の1,873mmでした。駆動方式はRRを踏襲し、リアに搭載されるエンジンは、従来の三菱製ガソリン1L直3DOHC NAおよびターボから自社製のガソリン0.9L直3DOHCターボ(最高出力90ps/最大トルク13.8kgm)および1L直3DOHC NA(最高出力71ps/最大トルク9.3kgm)に変更されました。
AMTに代わりMTとDCTを設定
また、初代および2代目に設定のあったディーゼルは廃止されました。トランスミションは、それまでの「ソフタッチ」と呼ばれるシングルクラッチ式5速AMT(2ペダルMT)に代わり、5速MTと6速DCT「トウィナミック」が設定されました。サスペンション形式は、フロント:ストラット式/リア:ド・ディオン式が踏襲されました。
また、ステアリング形式もパワーアシスト付ラック&ピニオン式が踏襲されました。最小回転半径はわずか3.3mで、先代から0.9mも縮小されました。安全装備面では、衝突の危険性を感知した際に警告する「衝突警告音機能」や、横風の影響を軽減する「クロスウインドアシスト」などが採用されました。その後2015年に、クーペに1L NAエンジンのデチューン版(最高出力61ps)搭載車が追加されました。
ブラバス仕様を追加
さらに2016年には、専用の内外装や強化された足回りなどが備わるボディに、チューンナップを図った0.9Lターボエンジン(最高出力109ps/最大トルク17.3kgm)と変速スピードを速めた6速DCTを搭載するホットモデル「BRABUS(ブラバス)」がリリースされました。日本市場においては、2015年10月にまず1L NAエンジン搭載のクーペ「エディション1」が440台限定で導入されました。
その後限定車として、2016年4月にエディション1に類似した仕様のクーペ「エディション2」が、同年8月に0.9Lターボエンジン搭載のクーペ「ターボマットリミテッド」およびカブリオ「ターボリミテッド」がリリースされました。追って12月には、限定車としてクーペ/カブリオに「BRABUSエクスクルーシブリミテッド」が設定されたほか、クーペに初のカタログモデルとなる0.9Lターボエンジン搭載グレード「ターボ」が設定されました。