スマートフォーツーカブリオレ(2009年式、451型)に乗っていた事があります。ヤナセにて新車で購入し、価格は総額で220万円程でした。小さなリッターカーに200万円オーバーの出費は、さすがに多少の決意が必要でしたが、以前からスマートフォーツーには一度乗ってみたいと思っていたので、そのハードルは乗り越えました。
究極のコンパクトカー
それまでは、軽自動車やコンパクトカーを色々と乗り継いで来ましたが、小さな車が好きな者としては、その極致とも言えるスマートフォーツーはある意味で理想像でした。バリエーションとしては、クーペとカブリオがありましたが、かつてダイハツ・コペンに乗っていた際のオープンエアモータリングの快感を覚えていたので、再びその気持ち良さをと思い、カブリオを選びました。
納車されると、すぐに富士山方面にドライブ旅行に出掛けました。試乗もしないでいきなり購入したのですが、ドライバビリティーはほぼ想像していた通りで、失望するような事はありませんでした。
パワーは必要にして十分で、ほぼターボ付きの軽自動車のレベルといったところで、一般道ならまず不満は感じませんでした。富士スカイラインの上り坂でも、全く痛痒を感じさせず、力強く上って行きました。
山岳路の走行は、壮快そのもの
そして、ソフトトップを開けての山岳路の走行は、壮快そのものでした。一方、高速道路では、さすがに追い越し加速は今一つ心許ないものがありましたが、走行車線を巡航する分には問題はありませんでした。ただ、ショートホイールベースでRR方式の割には直進安定性は悪くないのですが、強い横風が吹いたり、大型トラックに追い越された場合などはハンドルを取られ、少々怖いものがありました。
乗り心地は、意外とフラットでそれ程ヒョコヒョコする事もなく、想像していた以上にまともでした。ハンドリングも、思いの外ステアリングの手応えがしっかりしていて、山道を走っても不安を感じる事はありませんでした。ただ、ステアリングレシオがスローなので、タイトコーナーでは手が忙しく、アンダーステアが出てしまう傾向がありました。
しかし、そもそもがシティ・コミューターですので、それは仕方ないところです。街中では、車体のコンパクトさが威力を発揮し、狭い路地でも軽自動車以上にスイスイ走れてしまうので、とても楽でした。その一方で、見た目の割には案外小回りが効かず、楽勝でUターン出来ると思いきやオットット、という事もありました。
ユーモラスで可愛らしい外観を見れば短所など
そんな長所と短所を併せ持ったスマートフォーツーでしたが、ユーモラスで可愛らしい外観を見れば、短所など許せてしまう気持ちになりました。又、ボディカラーが赤だった事も手伝い、街中では目立つ存在で、歩行者に二度見される事もしばしばでした。特に子供には受けが良く、「可愛い!」「小さ!」「なんだこれ!?」などと様々な反応があるのが、愉快でした。とにかく、購入してから手放すまでに、楽しい思い出がいっぱい詰まった1台でした。