ダイムラー100%出資の子会社「smart」は、2014年10月にヨーロッパ市場において4人乗りのコンパクトカー「スマート・フォーフォー」を発売しました。同時期にデビューした2人乗りの3代目「スマート・フォーツー」とともに、フランスのルノーとの共同開発により誕生したモデルで、初代フォーフォーが2006年に生産終了となって以来8年ぶりの復活となりました。
姉妹車種トゥインゴと異なる意匠を採用
車体の構造は、初代フォーフォーやフォーツーなどと同様、「トリディオンセーフティセル」と呼ばれる高剛性フレームと樹脂製ボディパネルの組み合わせが採用されました。プラットフォームは「ルノー・トゥインゴ」と共通で、ボディタイプもそれと同様に5ドアハッチバックのみの設定でした。スタイリングは、基本的なフォルムはトゥインゴと類似しているものの、フロントまわりやリアまわりなどは異なる造形が採用されました。
ボディ・ディメンションは全長3,495mm×全幅1,665mm×全高1,554mm、ホイールベース2,494mmで、トゥインゴとは若干異なっていました。また、基本設計を共有するフォーツーとの比較では、全長およびホイールベースが700mmほど長く設定されていました。サスペンション形式は、トゥインゴやフォーツーと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:ド・ディオン式が採用されました。
パワートレインはトゥインゴなどと共通
また、RRの駆動方式や搭載されるパワートレインもトゥインゴやフォーツーと共通でした。エンジンのラインナップは、当初ガソリン0.9L直3ターボ(最高出力90ps/最大トルク13.8kgm)および同1L直3 NA(最高出力71ps/最大トルク9.3kgm)の2種類が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、5速MTまたは「トウィナミック」と呼ばれる6速DCTでした。
ブレーキはフロントがディスク式、リアがドラム式で、ステアリング形式はパワーアシスト付きのラック&ピニオン式でした。また、インパネの意匠はフォーツー同様にポップなイメージでまとめられていました。安全装備面では、衝突の危険性を感知した際に警告する「衝突警告音機能」や、横風の影響を軽減する「クロスウインドアシスト」などが採用されました。
高性能版のブラバス仕様を追加
その後2016年に、専用の内外装や足回りなどが備わるボディに、0.9Lターボエンジンのアウトプットを最高出力109ps/最大トルク17.3kgmまで高めて搭載するホットハッチ「BRABUS(ブラバス)」が追加されました。日本市場においては、2015年10月にまず1L NAエンジン+6速DCT搭載の「パッション」および「プライム」が上陸を果たしました。
次いで2016年8月に0.9Lターボエンジン+6速DCT搭載の「ターボ」が、追って12月には「BRABUSエクスクルーシブ」が追加されました。