フォード・モーター(イギリス・フォード)は1962年9月、同社のボトムレンジを受け持つ新型大衆車「コーティナ」を発売しました。ドライブトレインにコンベンショナルなFR方式を採用するなど、メカニズムは平凡であったものの、一クラス上に匹敵するボディサイズや廉価な価格設定が大衆に受け入れられ、ベストセラーカーの座につきました。また、追って高性能モデルもリリースされました。
3種類のボディを用意
ボディタイプは、2ドアおよび4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの3タイプがラインナップされました。スタイリングは奇をてらわないオーソドックスなもので、初期モデルはシンプルなフロントグリルを備えていました。また、フロントグリルや灯火類の意匠の異なる「Mk1a」と「Mk1b」の2タイプが設定されました。
ボディ・ディメンションは全長4,274mm×全幅1,588mm×全高1,441mm、ホイールベース2,490mmで、車両重量は778kgでした。エンジンは当初、1.2L直4OHVソレックス・シングルキャブレター仕様の「ケント・ユニット」(最高出力49.2ps/最大トルク9.2kgm)が搭載されました。組み合わせられるトランスミッションは、4速MTのみが用意されました。
上級グレードを追加
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがリジッド・リーフ式で、ブレーキは初期モデルでは4輪ともドラム式が採用されました。当初のグレード体系は、「スタンダード」と「デラックス」の2タイプのラインナップでした。そして翌1963年1月、上級グレードとして1.5L直4OHVエンジン(最高出力61ps/最大トルク11.3kgm)を搭載し、フロントにディスクブレーキが装備される「スーパー」が追加されました。
次いで同年4月には、1.5Lエンジンの最高出力を79psまでチューンナップして搭載する「GT」が追加されました。さらにこの年、2ドアボディに1.6L直4DOHCウェーバー・ツインキャブレター仕様エンジン(最高出力106ps/最大トルク14.9kgm)を搭載し、最高速度174km/h・0-60mph加速13.6sの動力性能を持つスポーツセダン「ロータス・コーティナ」がラインナップに加わりました。
マイナーチェンジで装備を改善
続いて1964年10月にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルやインパネの意匠が変更されました。また、装備面では「エアフロー・ベンチレーション」が採用され換気性能が向上するとともに、Cピラーに室内排気用のルーバーが追加されました。その他、全車にフロント・ディスクブレーキが標準化された事も変更点のひとつでした。
そして1966年10月にフルモデルチェンジが実施され、Mk2に移行しました。