ポルシェ 914 (47GK 1969-1976):VWとの共同開発で誕生した廉価なMRポルシェ

ポルシェ 914 1969-75

ポルシェ 914 1969-75

ポルシェの2シータースポーツカー「914」は、「911」に手が届かない財布の軽い若年ユーザー層を開拓したい意図があったポルシェと、旧態化していた「カルマンギア」に替わる新たなスポーツモデルを欲していたフォルクスワーゲンの思惑が合致して両社により共同開発されたモデルで、まず1967年のフランクフルトショーに出展され、1969年から生産が開始されました。

911とは対照的なボディ形状

ボディ形状はデタッチャブルトップを備えるタルガトップ風カブリオレで、曲線的な911とは対照的な直線的でシンプルなボディラインを持っていました。又、北米の保安基準への適合と空気抵抗の低減を両立させる為、ポルシェ初のリトラクタブルヘッドランプが採用されました。ボディサイズは全長3,985mm×全幅1,650mm×全高1,220mmで、911より短く広く低いディメンションで、ホイールベースは180mm程長い2,450mmでした。

ポルシェ 914 1969-75

ポルシェ 914 1969-75

車両重量は900kg~940kgで、911よりも軽量に抑えられていました。サスペンションは、フロントは911のストラット式が、リアは「フォルクスワーゲン・411」のトレーリングアーム式が流用されました。駆動方式は、1954年デビューの「ポルシェ・550」以来となるMR方式が採用されました。エンジンは、発売当初は1.7L空冷フラット4 OHV燃料噴射仕様と、2L空冷フラット6 SOHCツインキャブ仕様の2種類が用意されました。

ポルシェ 914 1969-75

ポルシェ 914 1969-75

 

エンジンはVW製とポルシェ製の2本立てでスタート

前者はフォルクスワーゲン・411Eに搭載されていたもので、最高出力80ps/4,900rpm、最大トルク13.4kgm/2,800rpm、後者はポルシェ911Tに搭載されていたもので、最高出力110ps/5,800rpm、最大トルク16kgm/4,200rpmのスペックでした。トランスミッションは共に5速MTで、最高速度は前者が177km/h、後者が201km/hでした。グレード名は、それぞれ「914 1.7」「914/6」と呼ばれました。

ポルシェ 914 2.0 1975-76

ポルシェ 914 2.0 1975-76

そして1972年に「914/6」に替わり、エンジンをフォルクスワーゲン製2L空冷フラット4 SOHCに置換した「914 2.0」並びに「914S」が発売されました。エンジンのスペックは最高出力100ps/5,000rpm、最大トルク16.5kgm/3,500rpmで、最高速度は192km/h、車両重量は970kgでした。「914S」は、前後サスペンションにスタビライザーが備わる他、アルミホイールが装備されました。

ポルシェ 914 2.0 1975-76

ポルシェ 914 2.0 1975-76

次いで1973年、411Eのエンジンが1.8Lに拡大された事に伴い、「914 1.7」もエンジンを置換し「914 1.8」となりました。エンジンのスペックは最高出力86ps/5,000rpm、最大トルク14.3kgm/3,400rpmに向上し、最高速度も180km/hと僅かながら向上しました。翌1974年、「914 2.0」をベースにした限定モデル「914SL」が発売された後、1976年に前年デビューした「924」に後を託し生産終了となりました。

ポルシェ 914 2.0 1975-76

ポルシェ 914 2.0 1975-76

914は、発売当時「フォルクスワーゲン・ポルシェ・914」とも呼ばれプレミアム感に欠けるイメージを与えた事や、スタイリングが911とはかけ離れていた事から、熱烈なポルシェファンからは敬遠されました。しかし、ポルシェとしては廉価であった事から多くの新規ユーザーを取り込む事に成功、911を遥かに上回るセールスを記録し商業上は成功を収めました。