1997年にデビューした「ワゴンRワイド」を始祖に持つスズキのコンパクト・トールワゴン「ソリオ/ソリオバンディッド」は、2015年8月のフルモデルチェンジによりソリオは3代目、ソリオバンディッドは2代目となりました。先代からボディの大幅な軽量化やエンジンの刷新により燃費が向上した他、安全・快適装備が充実した現代的なモデルに進化しました。
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車両重量を最大100kg軽量化
スタイリングはキープコンセプトにより先代のイメージを受け継ぎながらも、立体的なプレスライン処理などよりシャープな雰囲気に変貌しました。又、ソリオバンディッドは2段重ねのヘッドランプを採用、先代以上にアグレッシブな雰囲気が備わりました。ボディサイズは全長3,710mm×全幅1,625mm×全高1,745mmで、先代より全幅が5mm広く全高が20mm低いディメンションになりました。
プラットフォームの刷新に伴いホイールベースは30mm長い2,480mmとなり、車両重量は高張力/超高張力鋼板の多用により70~100kg軽い930~990kgとなりました。駆動方式は先代同様FFとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式はフロントはマクファーソンストラット式を踏襲、リアは4WD車が先代同様のI.T.L式となる一方で、FF車はトーションビーム式に変更されました。
簡易ハイブリッドシステムを採用
エンジンは、先代の1.2L直4のK12Bから同一排気量の新ユニットK12C型に刷新され、最高出力91ps/最大トルク12kgmのスペックは同一ながら、小型軽量化が図られると共に燃費改善と低速トルク向上を実現しました。同時に、エントリーグレード以外に減速エネルギー回生機構「S-エネチャージ」のISG(モーター機能付発電機)の出力を高めた「マイルドハイブリッドシステム」が採用されました。
トランスミッションは先代同様CVTで、JC08モード燃費は先代から約10~13%向上した22~27.8km/Lになりました。一方インテリアは、センターメーター方式の採用などインパネのデザインを一新した他、室内長・室内高の拡大により居住性の改善とカーゴスペースの拡大が実現しました。又、任意の位置でスライドドアを止める事が出来る「ワンアクションパワースライドドア」が設定されました。
快適装備としては、運転席シートヒーターとリアヒーターダクトが全車に、助手席シートヒーターが4WD車に標準装備される他、ナノイー搭載フルオートエアコンやロールサンシェード、プレミアムUV&IRカットガラスが設定されるなど、大幅な充実が図られました。その他、駐車をサポートする全方位モニターや、スマホ感覚で操作出来るメモリーナビゲーションがオプション設定されました。
そして安全装備としては、従来のミリ波レーダー方式の衝突被害軽減ブレーキ「レーダーブレーキサポート」に替わり、「スペーシア」にも搭載されるステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」がオプション設定されました。レーダーブレーキサポートよりも作動速度域を拡大した他、車線逸脱警報機能やふらつき警報機能などの新機能が追加されました。
スズキ ソリオの歴代モデル
2代目 MA15S ’10-’15 先代からスペースユーティリティーや燃費が大幅に向上
1997年にデビューした「ワゴンRワイド」を始祖に持つスズキのコンパクト・トールワゴン「ソリオ」は、2011年1月にフルモデルチェンジを実施し2代目となる現行型になりました。先代からボディを拡大しスペースユーティリティーを大幅に向上させた他、走行性能や燃費の向上、安全装備の充実などを図り、より魅力のある実用車に変貌しました。
室内長拡大で居住性が大幅アップ
ボディは、先代同様のセミキャブオーバー型のプロポーションを踏襲しながら、抑揚の効いたスタイリングになった他、後席用ドアがヒンジ式からスライド式に変更されるなど、弟分である軽ハイトワゴン「ワゴンR」との差別化が図られました。ボディサイズは全長3,710mm×全幅1,620mm×全高1,765mmで、先代よりも全長が165mm、全高が100mm拡大され、それに伴い車両重量も60~80kg増加し1,030kg~1,090kgとなりました。
又、プラットフォームの刷新によりホイールベースが90mm延長され2,450mmとなりました。これらの変更により、室内長が330mm長い2,100mmとなるなど居住性が大幅に改善された他、前席・後席間のウォークスルーが実現するなど使い勝手も向上しました。サスペンション形式は前:マクファーソンストラット式/後:I.T.L式を踏襲し、駆動方式も先代同様FFとオンデマンド4WDが設定されます。
パワートレインをリニューアルし燃費が向上
エンジンは、先代の1.3L直4のM13A型から1.2L直4吸排気VVTのK12B型(最高出力91ps/6,000rpm、最大トルク12kgm/4,800rpm)に置換されました。又、トランスミッションは4速トルコン式ATに替わり副変速機付CVTが採用され、10.15モード燃費は先代から15~20%程改向上し20km/L~21km/Lとなりました。装備面では、パワースライドドアが「X」は助手席側のみに、「S」は両側に装備されます。
そして翌2月、装備の簡素化により軽量化を図り、クラストップの22.5km/Lの燃費を実現したFFのエントリーグレード「G」が追加されました。次いで同年11月、燃費が2km/L向上するアイドリングストップ機構搭載グレードが追加されました。そして翌2012年6月、アイドリングストップ機構搭載車のCVTオイルを低粘度タイプに変更し更に燃費を改善した他、「G」の4WD版グレード「G4」が追加されました。
そして2013年11月にマイナーチェンジを実施し、K12B型エンジンをベースに熱効率を改善した「デュアルジェットエンジン」や新アイドリングストップ機構、減速エネルギー回生システム「エネチャージ」を搭載し、燃費改善を図ったグレード「X-DJE」「S-DJE」が追加されました。次いで翌2014年2月、ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減ブレーキ「レーダーブレーキサポート」が一部グレードを除きオプション設定されました。
現行型ソリオは、ワゴンR程のベストセラーカーではないものの、実用的で扱い易いサイズのミニバンとして評価が定着し、新車販売台数ランキングで常時20位台をキープするなど堅実な人気を維持しています。