マツダは1992年5月に、オートザム系列店より新型ミディアムクラスセダン「クレフ」をデビューさせました。一足早く前年10月に発売されたカペラの後継モデル「クロノス」のコンポーネンツを流用して製造された姉妹車種で、専用のボディパネルや内装が与えられると同時に、よりラグジュアリーかつスポーティな位置付けとなり価格もやや高く設定されました。
オートザム クレフのCM
ボディタイプはクロノズ同様ピラー付の4ドアセダンで、スタイリングはクロノス譲りのロングノーズのプロポーションや曲線的なボディラインを受け継ぎながら、前述のように単なるバッジエンジニアリングではなく、クレフ独自のデザインが取り入れられました。ボディサイズは全長4,670mm×全幅1,750mm×全高1,400mmで、クロノス同様の3ナンバーサイズながら全長・全幅が僅かに小さいディメンションでした。
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3種類のエンジンを用意
ホイールベースは同一の2,610mmで、車両重量はクロノスよりもやや重く1,240~1,310kgでした。プラットフォームをクロノスと共有する為、サスペンション形式も同一の4輪ストラット式で、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。用意されたエンジンは、2L 直4DOHCのFS-DE型、2L V6DOHCのKF-ZE型、2.5L V6DOHCのKL-ZE型の3種類でした。
スペックは、FS-DE型が最高出力125ps/最大トルク17.6kgm、KF-ZE型が最高出力160ps/最大トルク18.3kgm、KL-ZE型が最高出力200ps/最大トルク22.8kgmで、トランスミッションは各エンジンとも4速トルコン式ATが組み合わせられました。尚、クロノスと異なり1.8L V6エンジン及び2L直4ディーゼルターボエンジン搭載車や、5速MT車は最後まで用意されませんでした。
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販売不振により短命に
グレード体系は、唯一の4WDグレードとなる2L直4エンジン搭載の「2.0 4WD」、2L V6エンジン搭載の「V6 2.0」「V6 2.0タイプLS」、2.5L V6エンジン搭載の「V6 2.5」「V6 2.5タイプX」「V6 2.5タイプXS」の全6タイプがラインナップされました。この内、トップグレードとなる「V6 2.5タイプXS」には、14インチアルミホイール、前席パワーシート、本革巻きステアリングホイール、CDオーディオなどが標準装備されました。
その後マイナーチェンジや一部改良などが実施される事はなく1994年12月に生産終了となりました。僅か2年半程度の短命に終わったのは、当時同社が推し進めていた多チャンネル販売体制の失敗により、販売面で振るわなかった事が要因でした。その後もクレフの車名は復活する事はなく、一代限りのモデルとなりました。
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