日産自動車は1982年9月、「サニーバネット/チェリーバネット/ダットサンバネット」の上級車種となるワンボックス車「サニーバネットラルゴ/チェリーバネットラルゴ/ダットサンバネットラルゴ」を発売しました。バネットシリーズからボディサイズが拡大され居住性が向上した他、走行性能の向上や装備の充実化が図られました。
バネットから全幅をワイド化
各モデルの販売体制は、サニーバネットラルゴはサニー店系列で、チェリーバネットラルゴはチェリー店系列で、ダットサンバネットラルゴは日産店系列で販売されました。3モデルの内外装は基本的に同一ながら、ヘッドランプベゼルなど一部ディテールの相違により差別化が図られていました。又、バネットシリーズ同様に商用登録のバンと乗用登録のワゴン「コーチ」が用意されました。
ボディサイズはコーチの最上級グレード「グランドサルーン」の場合で全長3,965mm×全幅1,690mm×全高1,920mmとなり、バネットシリーズから全幅が90mmワイド化されました。ホイールベースは同一の2,075mmで、サスペンション形式もフロント:ダブルウィッシュボーン/リーフ式、リア/リジッド・リーフ式が踏襲されました。
日産 バネットラルゴのCM(1982)
4種類のエンジンを用意
駆動方式も同じくFRを採用し、コーチのエンジンにはバネット・コーチにも設定される2L直4SOHCガソリンNAのZ20型(最高出力105ps/最大トルク16.5kgm)と2L直4SOHCディーゼルNAのLD20型(最高出力65ps/最大トルク12.5kgm)に加え、LD20型にターボチャージャーを装着したLD20T型(最高出力79ps/最大トルク17kgm)が用意されました。
一方、バンにはこれもバネット・バンと共通の1.5L直4OHVガソリンNAのA15型が採用されました。トランスミッションは、MTの他に3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、コーチは下から「LX」「LX-J」「LX-G」「グランドサルーン」の4タイプが、バンは「DX」「GL」の2タイプがラインナップされました。
又、室内はコーチ・グランドサルーンのみ2列目にアームレスト付セパレートシート「リムジンシート」を採用した2-2-3シート配列の7人乗り仕様で、それ以外は2-3-3シート配列の8人乗り仕様でした。更に、コーチ・LX-J以上のグレードに2列目回転対座シートが備わる他、グランドサルーンにはワンボックス車唯一となるガラスハッチが採用されました。
そして1984年6月の一部改良の際に、コーチにガラスサンルーフ仕様の「パノラマルーフ」が追加されました。その後、1985年9月にベースモデルであるバネットシリーズがフルモデルチェンジにより2代目C22型となり、追って1986年5月にバネットラルゴシリーズもフルモデルチェンジを受け2代目GC22型に移行しました。