1982年に「サニーバネット/チェリーバネット/ダットサンバネット」の上級モデルとして発売された日産自動車のワンボックス車「サニーバネットラルゴ/チェリーバネットラルゴ/ダットサンバネットラルゴ」は、1986年5月にフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行しました。先代ではバネットシリーズと共通だったプラットフォームが別物となるなど、差別化がより鮮明になりました。
先代から全長とホイールベースを延長
先代同様に商用登録のバンと乗用登録のワゴン「コーチ」が用意され、スタイリングは直線基調のモダナイズな雰囲気に変貌しました。ボディサイズは全長4,360mm×全幅1,690mm×全高1,910~1,980mmで、先代から全長が400mm程拡大されました。又、ホイールベースも一気に275mm延長され2,350mmとなりました。
サスペンション形式はフロントはダブルウィッシュボーン式を踏襲し、リアはリジッド・リーフ式から5リンク・コイル式に変更されました。同時に、一部グレードに荷重感応型電子制御サスペンションが装着されました。駆動方式は当初は先代同様FRのみの設定で、エンジンはバンには1.5L直OHVガソリンNAのA15型と2L直4SOHCディーゼルNAのLD20型がキャリオーバーされました。
日産 バネットラルゴのCM
コーチのエンジンを一新
一方、コーチのエンジン・ラインナップは一新され、1.8L直4SOHCガソリンターボのCA18ET型(最高出力120ps/最大トルク18.5kgm)、2L直4SOHCガソリンNAのCA20型(最高出力88ps/最大トルク14.8kgm)、2L直4SOHCディーゼルターボのLD20TⅡ型(最高出力79ps/最大トルク17kgm)の3種類となりました。トランスミッションは、各エンジンに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
室内の仕様は先代同様に、7人乗り仕様と8人乗り仕様が用意されました。コーチのグレード体系は、当初1.8Lエンジン搭載のクルージングサルーン/グランドサルーン、2Lディーゼルエンジン搭載のスーパーサルーン/スーパーサルーンパノラマルーフ/LX、2Lガソリンエンジン搭載のスーパーサルーン/スーパーサルーンパノラマルーフ/LX/グランドサルーンがラインナップされました。
4WD車を追加設定
そして同年11月、2Lガソリン/ディーゼル車にボタンひとつで2WD/4WDの切り替えが可能なパートタイム4WD仕様が追加されました。次いで1989年6月のマイナーチェンジでエクステリアデザインが一部変更されると共に、パートタイム4WD仕様に代わりフルタイム4WD仕様が設定されました。同時に、グレード体系の見直しも行われました。
1.8L車は
- スーパークルージング
- スーパークルージングパノラマルーフ
- グランドクルージング
2Lディーゼル車は
- スーパーサルーン
- スーパーサルーンパノラマルーフ
- グランドサルーン
2Lガソリン車は
- スーパーサルーン
- スーパーサルーンパノラマルーフ
- グランドサルーン
- エクスクルーシブサルーン
のラインナップとなりました。
続いて1992年1月、2Lガソリン/ディーゼル車にスーパーサルーンがベースの新グレードとして「スーパーサルーンSV」及びグリルガードやシビエ製フォグランプなどが備わるアウトドア志向の「ウミボウズ」が追加されました。そして1993年5月にフルモデルチェンジが実施され、3代目W30型に移行しました。