日産自動車は1980年6月、2代目「パトロール」の後継車種となるクロスカントリー車「サファリ」をリリースしました。悪路走破性と耐久性を優先し、車体はラダーフレーム+4輪リジッド・リーフ式サスペンションの構成が踏襲されました。バリエーションは一般ユーザー向けのバンの他に、消防車仕様のダブルキャブ、輸出向けのピックアップトラックが用意されました。
国内向けは2種類のエンジンでスタート
一般ユーザー向けモデルのボディタイプは、乗用登録ショートボディ3ドアFRPトップの「ハードトップ」と、貨物登録ロングボディ5ドアメタルトップの「エクストラバン」がラインナップされました。スタイリングはSUVらしくボクシーかつ無骨なものながら、デビューを1960年まで遡るパトロールからは大幅にモダナイズされました。
ハードトップ初期型のボディサイズは全長4,070mm×全幅1,690mm×全高1,865mmで、ホイールベースはハードトップが2,350mmでした。駆動方式はパトロール同様全車パートタイム4WDで、エンジンは当初国内向けには1.8L直4SOHCガソリンNAのL18型(最高出力95ps)と、3.2L直6OHVディーゼルNAのSD33型(最高出力95ps)が用意されました。
その他に、輸出向けモデルには2.8L直6SOHCガソリンNAのL28型や、同ディーゼルターボのLD28T型なども用意されました。トランスミッションは国内仕様車は4速MTのみであった一方、輸出仕様車にはATも用意されました。又、ブレーキはフロントがディスク式、リアがドラム式でした。
西部警察で活躍した日産 サファリの映像
M/Cでディーゼルエンジンに一本化
そして1982年8月のマイナーチェンジでエクステリアが小変更されると同時に、ガソリン車が廃止されディーゼル車に一本化されました。次いで1983年9月に実施された2度目のマイナーチェジでは、SD33型エンジンが昭和57年ディーゼル車排出ガス規制に適合すると共に、同エンジンにターボチャージャーを装備したSD33T型エンジン(最高出力120ps)搭載車並びに5速MT仕様が追加されました。
同時に、エクストラバンに全高を140mmアップしたハイルーフが追加になりました。続いて1985年10月の3度目のマイナーチェンジにより、ヘッドランプが消防仕様車を除き丸型2灯式から角型2灯式に変更されると共に、エクストラバン・ハイルーフをベースにオーバーフェンダーやワイドタイヤ、電動ウインチ、背面キャリア式スペアタイヤを装備する「グランロード」が追加されました。
そして1987年11月に国内向けハードトップ/エクストラバンがフルモデルチェンジを受け、2代目Y60型に移行しました。一方、消防仕様車は1994年まで、輸出向けモデルは2002年まで160型のまま継続生産されました。