1980年に2代目「パトロール」の後継車種としてリリースされたクロスカントリー型SUV「サファリ」は、1987年11月にフルモデルチェンジを受け2代目Y60型に移行しました。先代からフレームやサスペンションが刷新され、先代譲りの悪路走破性にオンロード性能や快適性が付加されました。
4輪コイル式サスペションを採用
当初はワゴンが廃止され貨物登録のバンのみとなり、ボディタイプはFRPトップからメタルトップに変更された3ドア4人乗りの「ハードトップ」と、メタルトップ5ドア5人乗りの「エクストラ」(標準ルーフ/ハイルーフ)がラインナップされました。スタイリングはフロントマスクが一新されたものの、ボクシーかつ無骨なフォルムは踏襲されました。
ボディサイズは、ハードトップが全長4,315mm×全幅1,800mm×全高1,805mm、エクストラが全長4,885mm×全幅1,800mm×全高1,790mmで、先代から全長・全幅が拡大され、全高は低くなりました。ホイールベースは前者は50mm延長され2,400mmとなり、後者は先代と同一の2,970mmでした。サスペンションは4輪リジッド式を踏襲しつつ、スプリングがリーフ式からコイル式に変更されました。
駆動方式は先代同様全車パートタイム4WDで、エンジンは先代の3.2L直6OHVディーゼルNAのSD33型及び同ターボのSD33T型から、4.2L直6OHVディーゼルNAのTD42型(最高出力125ps/最大トルク27.8kgm)に置換されました。トランスミッションは当初、先代同様5速MTのみの設定で、ブレーキは全車に4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。
ATやガソリン車を追加
発売時のグレード体系は、各ボディ共に「AD」のみのモノグレード設定だったものの、翌1988年2月に各ボディにワイドフェンダー仕様の「グランロード」が追加されました。更に同年9月には、サファリ初の4速トルコン式ATが設定されました。次いで1991年2月、各ボディに乗用登録のワゴンが設定されました。
同時にエクストラ標準ルーフに廉価グレード「DX」が追加された他、DXを除くエクストラシリーズに3列シート7人乗り仕様車が設定されました。追って同年10月、エクストラシリーズに4.2L直6OHVガソリンNAのTB42E型エンジン(最高出力175ps/最大トルク32.6kgm)搭載車と、最上級グレード「キングズロード」が追加されました。
更に翌1993年1月、エクストラ・ハイルーフに新グレード「グランロードSV」が追加になりました。次いで1993年8月のマイナーチェンジにより、ディーゼルエンジンがターボ付のTD42T型(最高出力145ps/最大トルク33.7kgm)に置換されると共に、ハードトップにもキングズロードが設定されました。
続いて1994年10月の一部改良でフロントグリルの意匠が変更されると共に、ハードトップADに代わり2.8L直6SOHCディーゼルターボのRD28T型エンジン(最高出力125ps/最大トルク26kgm)を搭載する「スプリットタイプⅠ/タイプⅡ」が設定されました。同時に、ハードトップ・キングズロードは廃止されました。
次いで1995年8月の一部改良により、ワゴンに運転席SRSエアバッグシステムが標準化されると共に、TD42T型エンジンが平成6年排出ガス規制に適合しました。そして1997年10月にフルモデルチェンジが実施され、3代目Y61型に移行しました。