1980年に2代目「パトロール」の後継車種としてリリースされたクロスカントリー型SUV「サファリ」は、1997年10月に10年ぶり2度目フルモデルチェンジを受け、3代目Y61型に移行しました。新開発されたエンジンが用意された一方で、フレームや4輪コイル・リジッド式のサスペンション、パートタイム4WDの駆動方式などは先代から踏襲されました。
ボディサイズを拡大
ボディタイプは従来同様ショートボディの3ドアとロングボディの5ドアが用意され、スタイリングや先代よりも都会的な雰囲気に変貌しました。ボディサイズは、3ドアが全長4,340mm×全幅1,840mm×全高1,865mm、5ドアが全長4,910mm×全幅1,840~1,930mm×全高1,865mmで、共に先代から一回り拡大されました。ホイールベースは先代から変更はなく、前者が2,400mm、後者が2,970mmでした。
エンジンは当初、先代に搭載されたユニットの改良型である2.8L直6SOHCディーゼルターボのRD28ETi型(最高出力135ps/最大トルク26.6kgm)、先代からキャリオーバーされた4.2L直6OHVディーゼルターボのTD42T型(最高出力160ps/最大トルク33.7kgm)、先代から排気量が拡大された4.5L直6OHVガソリンNAのTB45型(最高出力200ps/最大トルク35.5kgm)の3種類が用意されました。
トランスミッションは4速トルコン式ATの他、ディーゼル車には5速MTが設定されました。又、ブレーキは先代同様全車に4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。安全装備面では、一部グレードに運転席SRSエアバッグシステムが備わるのみだった先代から強化され、全車にSRSデュアルエアバッグシステムとABSが採用されました。
当初のグレード体系は、3ドアが下からRD28ETi型エンジン搭載の「スプリットタイプⅠ」「スプリットタイプⅡ」、5ドアがTD42T型及びTB45型エンジン搭載の「RX」「グランロード」「グランロードリミテッド」のラインナップでした。そして1999年9月のマイナーチェジにより、内外装の意匠変更や装備の充実化が図られました。
日産 サファリのCM
エンジンラインナップを変更
同時に、3ドア車のエンジンが3L直4DOHC直噴ディーゼルターボのZD30DDTi型(最高出力170ps/最大トルク34kgm)に置換されると共に、グレード名が「2ドアハードトップスーパースピリット」に変更されました。又、5ドア車は「4ドアバングランロード」「4ドアバングランロードリミテッド」「4ドアワゴングランロード」「4ドアワゴングランロードリミテッド」のグレード体系に変更されました。
次いで2002年8月に一旦生産休止となった後、同年11月にマイナーチェンジを受けた上で再登場しました。従来から内外装の意匠や装備が変更された他、パワートレインが4.8L直6DOHCガソリンNAのTB48DE型エンジン(最高出力245ps/最大トルク40.8kgm)+5速トルコン式ATに置換・一本化されました。同時に、グレードが4ドアワゴングランロードリミテッドのみに整理されました。
そして2007年6月に国内販売を終了、27年の歴史に幕を下ろしました。