ホンダのプレミアムクラス乗用車「レジェンド」の初代モデルは、1985年11月に国内販売が開始されました。開発は英国のブリティッシュ・レイランド社と共同で行われ、ローバーブランドで販売される英国仕様や、アキュラブランドで販売される北米仕様が存在しました。同社として初の3ナンバーサイズのモデルで、国内では「トヨタ・クラウン」などへの対抗馬とされました。
空力特性を追求したボディ
ボディタイプはまず4ドアセダンが登場し、1987年2月に2ドアハードトップが追加されました。スタイリングは、共に傾斜の強いAピラーやサイドまで回り込んだラップラウンド・リアウィンドウ、広いガラスエリアが特徴で、同時に静粛性向上の為空力特性が追求され、Cd値はセダンが0.32、ハードトップが0.3という第一級の数値を実現していました。
全長×全幅×全高はセダンが4,690~4,810mm×1,695~1,735mm×1,390mm、ハードトップが4,775mm×1,745mm×1,370mm、ホイールベースはセダンが2,760mm、ハードトップが2,705mm、車両重量はセダンが1,300~1,410kg、ハードトップが1,410kgでした。サスペンション形式はフロントが共にダブルウィッシュボーン式で、リアはセダン初期型がストラット式、ハードトップがダブルウィッシュボーン式でした。
ホンダ レジェンドのCM
エンジンは全車V6を搭載
エンジンは全車V6 SOHC24バルブのC型ユニットで、発売当初セダンには2LのC20A型(最高出力145ps/最大トルク17kgm)及び2.5LのC25A型(最高出力165ps/最大トルク21.5kgm)が、ハードトップには2.7LのC27A型(最高出力180ps/最大トルク23kgm)が搭載されました。トランスミッションは4速トルコン式ATの他、セダンには5速MTが設定されました。
発売当初のグレード体系は、セダンが2Lの「Zi」「Gi」と2.5Lの「Xi」の3タイプ、ハードトップはグレード名無しのモノグレードで、ハードトップにはABSや電動スモークドガラス・サンルーフが標準装備されました。そして1987年9月にマイナーチェンジが実施され、セダン2.5L車のエンジンがハードトップ同様のC27A型に置換されました。
同時に、装備の充実化や仕様の一部変更が行われた他、国産車初の運転席SRSエアバッグシステムや豪華な内装を備える最上級グレード「エクスクルーシブ」シリーズが追加されました。次いで1988年10月に2度目のマイナーチェンジが実施され、内外装の変更や装備の充実化と共に、セダンのリアサスペンションがハードトップと同一のダブルウィッシュボーン式に変更されました。
同時に、セダン2L 車にホンダ独自の可変ウィングターボエンジン(最高出力190ps/最大トルク24.6kgm)を搭載する新グレード「Ti」及び「Tiエクスクルーシブ」が追加されました。続いて1989年7月に一部改良が実施され、「エクスクルーシブ」2.7L車にトラクションコントロールが標準装備された他、2L車の装備充実が図られました。そして1990年4月にフルモデルチェンジが実施され、2代目KA7/8型に移行しました。