初代モデルが1985年にデビューを飾ったホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」は、1990年10月のフルモデルチェンジにより2代目モデルに移行しました。プレミアム感を追求した基本コンセプトを踏襲しながらも、FFミッドシップ方式の採用により操縦安定性の向上が図られた他、安全装備・快適装備の面でも更なる充実が図られた事が特徴でした。
ワイド&ローなフォルムに
ボディタイプはまず4ドアセダンが登場し、翌1991年1月に2ドアクーペが追加されました。スタイリングは、共にワイド&ローなディメンションを強調するデザインが採用されると同時に、フラッシュサーフェス化の徹底による空力特性の追求が行われていました。更にクーペは、ボディやキャビンの前後を絞り込む事でスペシャルクーペに相応しいフォルムを体現していました。
全長×全幅×全高はセダンが4,940mm×1,810mm×1,405mm、クーペが4,880mm×1,810mm×1,370mmで、共に先代から一回り拡大され(※クーペは先代ハードトップとの比較)、ホイールベースもセダンが2,910mm、ハードトップが2,830mmとなり、先代からそれぞれ大幅に延長されました。又、車両重量も大幅に増加し、セダンが1,560~1,640kg、クーペが1,560~1,570kgとなりました。
ホンダ レジェンドのCM
パワートレインを刷新
サスペンションは、形式こそ先代同様の4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲するものの、軽量化・高剛性化が図られた新設計のものとなりました。駆動方式は先代同様全車FFで、前述のようにフロントミッドシップ方式を採用する事で前後重量配分の最適化が図られました。エンジンは、全車に新開発された3.2L V6 SOHC24バルブのC32A型(最高出力215ps/最大トルク30.5kgm)が搭載されました。
トランスミッションは、こちらも新設計の4速電子制御トルコン式ATが採用され、国内向けに限りMTは廃止されました。発売当初のグレード体系は、セダンが標準グレード「β」と上級グレード「α」の2タイプで、クーペはグレード名無しのモノグレードでした。安全装備面では、全車に運転席SRSエアバッグシステムやABS、国産車初のシートベルトプリテンショナーが採用されました。
更にトラクションコントロールシステムがセダン「α」とクーペに、助手席SRSエアバッグシステムがクーペに標準装備されました。又、快適装備としては、前席パワーシート、シートヒーター、フルオートエアコン、ヒーテッドリモコンドアミラーが全車に、インテリジェント・キーレスエントリーシステム、6連奏CDチェンジャーがセダン「α」とクーペに標準装備されました。
そして1991年6月にクーペに新グレード「β」が、同年11月にセダンに新グレード「βⅡ」と「αⅡ」が追加されました。次いで1992年9月にマイナーチェンジが実施され、内外装の変更や静粛性の改善などが行われました。同時に、セダン/クーペに専用のタイヤ&ホイールや強化されたフロントブレーキなどが備わる新グレード「αツーリング」が追加され、セダン「αⅡ」とクーペ「α」は廃止されました。
そして1996年2月にフルモデルチェンジが実施され、3代目KA9型に移行しました。