初代モデルが1985年にデビューを飾ったホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」は、1996年2月に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け3代目モデルに移行しました。持ち味である基本性能や安全性能の高さに加え、乗り手の期待値と実際の体感が一致する「ヒューマン・リニアリティ」を追求した事が特徴のモデルとなりました。
4ドアセダンに一本化
ボディタイプは先代までに設定のあった2ドアモデルが廃止され、4ドアセダンに一本化されました。スタイリングはキープコンセプトで、先代のイメージを色濃く受け継ぐものでした。ボディサイズは全長4,955mm×全幅1,810mm×全高1,435mmで先代から全長と全高が僅かに拡大され、ホイールベースは同一の2,910mm、車両重量はほぼ同等の1,580~1,640kgでした。
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲され、駆動方式も従来同様FFが採用されました。エンジンは、先代の3.2L から排気量が拡大された3.5L V6 SOHC24バルブのC35A型(最高出力215ps/最大トルク31.8kgm)が採用されました。トランスミッションは先代同様、4速トルコン式ATが組み合わせられました。
発売当初のグレード体系は、グレード名無しの標準グレードとエントリーグレード「ユーロ」、そして上級グレード「エクスクルーシブ」の3タイプが設定されました。装備面では、「エクスクルーシブ」に16インチアルミホイール&タイヤやトラクションコントロールシステム、オートライトコントロール、本革巻きステアリングホイールが標準装備されました。
複数回のM/Cで基本性能や装備を改善
本革シートやナビゲーションシステム、ラックスマン製オーディオシステム、サンルーフなどが全車にオプション設定されました。そして1997年10月にマイナーチェンジが実施され、「エクスクルーシブ」専用だった前述の装備が標準グレードと「ユーロ」にも採用された他、全車にリア中央席3点式シートベルトが標準装備されました。
同時に、専用アルミホイールやスポーツサスペンション、6連奏CDチャンジャー、本木目パネルなどが備わる新グレード「ユーロエクスクルーシブ」が追加されました。次いで1998年9月に2度目のマイナーチェンジが実施され、エクステリアデザインの変更と空力特性の改善(Cd値が0.37→0.32に)、内装の一部変更、ボディ剛性やサスペンションの強化、ATの改良などが行われました。
同時に、運転席&助手席用ホンダi-SRSエアバッグシステムの採用やブレーキアシスト機能の追加など、安全装備の充実が図られました。続いて1999年9月に3度目のマイナーチェンジが実施され、平成12年排出ガス規制に対応すると共に、車両挙動安定化制御システム「VSA」が「ユーロエクスクルーシブ」「エクスクルーシブ」に標準装備、それ以外のグレードにオプション設定されました。
次いで2003年6月に4度目のマイナーチェンジが実施され、内外装の変更と共に、イモビライザー&セキュリティーアラームと電動ランバーサポートが全車に、DVDナビゲーションシステムが「ユーロエクスクルーシブ」「エクスクルーシブ」に、6連奏CDチェンジャーとクルーズコントロールが「ユーロ」に標準装備されました。そして2004年10月にフルモデルチェンジが実施され、4代目KB1/2型に移行しました。